見出し画像

カラーの仕事の闇と光と

今とても流行っている、麻競さんを読みました。
とても面白いです。苦痛と、そのカウンターの快楽が多い現代だからこそ、この感覚が受け入れられているのだと感じます。

どんな仕事も、良い面ばかりではありません。

キラキラして素敵なイメージの強い、カラーやイメコンの闇に焦点を当てたフィクションを書きます。
ホワイトでクリーンな現代で、ネガティブ発信のメリットは少ないので、活動しているカラーリストは、こんなこと書きません。

ですが、ポジティブばかりでは見えないこともあって、ネガティブを受け入れるからこそ、気がつくことやできることが増える。
麻布競馬場さんを読んで、そう思いました。


キラキラ綺麗なカラーの仕事を始めて、周囲の声が耳に入る。

「あの人は、あんなことして」「いいわよね」「ナルシスト」「プライベート晒して恥ずかしくないの」「ああいうのって、イヤだよね。私にはとてもできない」

社会的動物ゆえの、排除や嫉妬、貶めや攻撃。
それに伴う苦痛。

空いた時間があれば、スマホでSNS・オンラインサロン・webニュースをチェックしたり、ショッピングをしてしまう。NetflixやYouTubeは1.5倍速で見て、急いで新しい情報を取り込む。
タイパタイパ。
手軽にドーパミンが放出されるこれらに逃げる。
とにかく間を埋めたい。
刹那の時間、現実を忘れて苦痛が和らぐ。

すぐにまた押し返す現実。

集客しなきゃいけない。
発信しなきゃいけない。
売上が気になる。来月どうなるのだろう。
先行き不安。

簡単に享受できる快楽をチクチク受け取っても、簡単に苦痛をグサッと受ける。
「けっ」と思う、自慢が透ける同業者の投稿。わかっていても、目に入るとダメージを受ける。

無意識にストレスするために、常に何か買い物するものを探していて、お金と注意を失う。
画面の向こうに時間を取られて、家族との時間や絆が奪われる。
「あっ、コメント。返信しなきゃ。」
「ママ、一緒に遊ぼうよ」
「ちょっと待ってね」
「ちょっとって言ったのに、いつも・・・」


気を許すと胸に沈む
「いったい、自分は何をしているのだろう」という虚しさ。
やった気になって、何も進んでいない現実。
手を付けなきゃと常に追われるも、できない。やりたくない。
やって反応なければ、やりきれない。

「素敵な先生」「頭の良い人」「お金持ち」「センスの良さ」みたいな欲望を、投稿に趣向を凝らして組み込み、キャラを作る。それに惹きつけられるフォロワーを増やして、フォロワーからお金を貰う。
他人の投稿から、透ける自慢を見つけては「ふっ。あざとい」とニヤけながら口に出しては、溜飲を下げる。でも本当は、そんなことでは何も消せない。
だって、自分の投稿もそうだから。

SNSで自分を大きく見せようと、リア充に見せようと演出し、嘘を積み重ねる。投稿のキラキラの度合い分、反動で罪悪感や空虚感という苦痛を受け取る。

いいねが少なければ落ち込む。
必要ない人間なのではないかと思う。
今日もコメントはこない。
誰かからの反応欲しさに、いいねを機械的にタップする。

嘘のない素直な自分で、本音の発信をできるのは、お金を稼げていて、心に余裕がある人。多くのビジネス書しかり、成功者の理論は結果論で参考にならない。
本や動画に啓発され、一瞬やる気が出るも、何もしないで一晩寝れば、雲散霧消。心は晴れないまま。
あなたたち成功者は「やれやれ」「とにかく行動しろ」とか言うけど、できないんだってば。そんな簡単に動けない。みんな、あなたたちのような人種ではないのです。

「30代の平均年収437万!?!?」
「周りより稼げていない。ってか、どうやったらそんなに行くのよ」

稼ぎのコンプレックスが、自分を誇大広告させたくなる。なんとか良く見せようと、細かな嘘を重ねて虚像が膨れ、苦痛も膨れる。

合いたくない友達が増える。

他者の偽りの成功が、インターネットで可視化され、誇張だろうと思っても、完全に自分を説得できず、疑心暗鬼で劣等感が増す。
ヤフコメを見ると、自分より下がたくさんいて安心する。気がつくと5ページ目まで見ていた。
ふと我に帰ると、焦る。焦る。手軽な快楽に逃げなきゃ。

溜まった苦痛で傾いたシーソーを水平に戻すために、ますますネットショッピングが増え、YouTubeをひたすら見て聞いて、ポテトチップスを食べて依存する。アルコール量も増える。薄い交友関係が欲しくなっては、消す。

スマホを見ては、苦痛が増え、スマホを見ては、快楽を得て、現実から逃げる悪循環で、自己効力感が削がれていく。

得体のしれない、何かに動かされている自分。自分のコントロール権は、スマホの画面の誰かにあるんじゃないか?

今の自分と向き合うのが怖い。今を認めるのが怖い。とんでもい苦痛。
今に生きられない。
仕事にならない。
仕事にできない。

とりあえず、スマホをスライドする。

苦痛と快楽は、脳の同じ場所で感じ、シーソーのようなもの

依存症医学の第一人者、スタンフォード大学教授のアンナ・レンブケさんの、世界的ベストセラー名著は考えさせられます。

人は快楽を受けると、受けた分の苦痛を感じて、シーソーのようにバランスを取っているということが、一番なるほどと思いました。
今、苦痛が多い世の中なのは、手軽にアクセスできる快楽が多いから。
苦痛が多ければ、それを相殺するための快楽を受けて、依存する。

本書では、具体例や依存からの回復例が豊富に掲載されています。

GAFAなどの大企業が作り出した、ドーパミン放出依存地獄。逃げられない私たち。

本書を読んで、ブッタの中道の本質さが、深く入りました。
欲が減れば、苦痛も減る。
心穏やかに、誰かの幸せを祈る。

メンタル強い人がなる、芸能人ですら、批判等の苦痛に耐えられない。ドラッグや不倫等が多いのは、ニュースバリューがあるもそうですが、それらの依存で快楽を得なけば、シーソーを水平に戻せない人が多い厳しい仕事で、名声がもたらす快楽は、霧のように消えやすいのかもしれません。

カラーの仕事が順調になって、少しちやほやされたとします。
そうすると、今の地位や名声を失ったら・・・という不安や、もっともっと名声が欲しいという、すごく曖昧な脳内の幻想と戦いから逃れない限り、苦痛は伴います。
逃げるために、何かから快楽を得てシーソーを水平に保とうとすると、依存が始まります。
有名になることは、同じくらいの苦痛があります。

どうしたら良いのか

稼ごうと思うと、有名になって、影響力を持たなければいけない。でも、有名になると、苦痛も増える。苦痛が増えたら、それを消す快楽が必要。何かに依存してしまう。

多くの人は、何かに依存しています。
SNS・スマホ・ショッピング・食べる等の依存を減らしたければ、因子を探して、依存元を断つこととなります。
欲望が減れば、苦痛も減ります。

仕事で成功したいという欲望が減っても、お金は稼げます。

多くの人は、稼ぐのが難しい、憧れる方法で成功を目指しますが、それはそこでお金を稼ぎたい人が作ったフィクションです。

自分には簡単にできるのに、他人からはすごいと思われる方法を見つけることが、ストレスが少なくて、苦痛が少ないです。

私にとっては、教材を作って販売することでした。

ただ、それを見つけられるかどうかは、本人の努力よりも、運だと思います。
私は運90%、運が来るまで諦めないで、続けられた努力10%(これも、生まれ持った脳の遺伝ありきなので、結局運100%?)


ドーパミンを出させる仕事の反対側にも、ビジネスがあります。その反対側こそ、ストレスが少ない仕事が埋まっている気がします。

シーソーを水平に戻すところにビジネスが

ドーパミンを出させて、常に快楽を与え続けるのが、今の大きなビジネスです。
各種SNS(オンラインサロン含む)、NetflixやYouTube、ネットショッピング、食べもの・・・

快楽を受け取る代償に、苦痛も受け取っていますので、その苦痛を和らげて、シーソーを水平に戻すところにも、ビジネスがあります。

「SNSやらなきゃ、仕事にならないよ」という養成講座や情報商材(本も含む) → 「SNSやスマホを辞めて、シンプルに生きよう」という情報商材やカウンセリング

ネットショッピング・せどり・転売などの物販、およびにそれに伴う情報ビジネス → 捨てよう・整理整頓・ミニマリスト(講座や情報商材。有名どころだと、こんまりさんやしぶさんなど)

世にあふれる白い悪魔(白米・白砂糖・小麦粉)やお菓子などの、依存食品 → 各種ダイエット商品やダイエット情報商材


シーソーの左右ビジネス(カラーの仕事例)


・食べすぎ(食品依存) → カラーダイエット(個人的には、うまい見せ方とマーケティングができれば、一番有名になって、桁違いに稼げるジャンルだと思います)

・悩みを聞いもらいたい(人に依存したい) → カラーセラピー。占い。カウンセリング(どの悩みのどの層をターゲットにするかで、見せ方は細分化)

・SNSが苦しい(SNS依存) → SNS以外で集客できるよ講座(情報商材)

・ネットショッピングしてはメルカリに売ってゲームを続けてしまい、時間を奪われる(買い物依存) → 新しく買わなくても、カラーを知れば素敵に穏やかに過ごせますよ(情報商材)

・カラーを仕事にしよう(養成講座) → 養成講座受けたけど、仕事にできない人向け講座

・集客できるノウハウ(講座・情報商材) → 新規に集客するより、今のお客様に違うサービスを(講座・情報商材)


こう考えると、カラーはやはり、自分を売る情報商材がメインなのだなと実感します。
他人がどう見えているかわからない「色」というものを、共同幻想を作ってシェアしていくビジネスモデルで稼ぐのであれば、対人関係の苦痛は避けられません。

違うタイプの苦痛と快楽がある仕事も組み合わせると、心のバランスが取りやすく、穏やかに続けられるのだと思います。

実際、長く続けている方は、物販や別のビジネスも行っています。



私には、その時々に思ったことを、ここに書き出すことしかできません。

カラーを仕事にしたいと挑戦している方が、より穏やかに楽しく過ごせることを、祈っています(お祈りメールではなくて、本当に手を合わせて感謝しております)