2019うどん旅行記 1/26 Part2

驚くべきことに、全く道に迷うことなく金刀比羅宮の鳥居に到着。
道の両側に売店がずらりと並んでおり、参拝客も多く、なかなかの賑わいだ。まるでお祭りみたい。
「金刀比羅ふれあいの道」の石灯籠から石段がずうっと上へ続いている。
傍らでは、駕籠やがスタンバイしている。ご高齢でも参拝したい人は駕籠という手段もあるのか。
俺は自分の足で。ここから石段スタートだ。

ところで、現代社会が産み出した最先端技術の産物に、スマートウォッチというものがある。
簡単に言うと、腕時計型の情報端末機器だが、常に身につけて置くことが可能である為、日々の運動量計測に向いている。
現在身につけているものは、歩数や心拍の他に、階段を何階分上ったかも感知でき、常時計測している。
という訳で、金刀比羅宮の石段を上り始める前に、現時点での数値を確認してみる。本日この時点で15階分上っている。
石段を上りきった時には何階分になっているか、楽しみだ。

石段の両脇にも、お店がずらりと並んでいる。茶店、うちわ、木彫り細工。まんじゅう、せんべい、さぬきビール??
特に急ぐわけでもないので、眺めながら石段を上がっていく。
進むにつれて両脇のお店も減っていき、森の中に石段がずっと続いているような状態になる。


途中、厩があり、「神馬 月琴号」との札が立っている。
中に白馬がいるようなのだが、食事中なのか顔を見せてくれない。見えるのはもそもそ動く鬣のみ。
月琴号、顔を見たかったがあきらめて進む。まだまだ序盤戦だ。

本宮までの途中には、厩舎だけでなく、鳥居や社、それに関する案内板がところどころにある。飽きさせない工夫かな。
石段は意外と曲がりくねったり、しばらく平らな場所があったり、急に開けたところに出たりする。
なんとなく、真っ直ぐにずどーんと同じ幅の石段がてっぺんまで続いているイメージを持っていたのだが、そうじゃないんだね。
スタート位置から30分とかからず、本宮に到着。おお、本宮はひときわ立派だ。


辺りをうろうろしてみる。ここでお土産やお守りなども売っているのだ。
うどん屋がある筈だと父ちゃんが言っていたが、見当たらないな。騙されたか。さっき食べて正解だった。
ここで札幌の実家に電話。金刀比羅の本宮に着いたと自慢する。父ちゃん母ちゃん、旅はいいぞ。
しばらく展望台でぼんやりと下界をながめる。なんと、ちらほらと雪が降ってきた。四国なのに。

さて、ここで終わりではない。参道の石段は本宮までは785段、奥社まで登ると1368段にもなる。
まだ半分ほどしか上っていないのだ。奥社へ向かおう。
奥社への石段は、より一層、山ん中の感じがする。先程よりも人が少なく、静かな空気の中、雪がちらつく。
とても心安らぐ場所だ。来て良かった。
それでもかなりの段数を上ってきているので、少々ペースダウン。
ここでようやく気づいたことがある。杖が邪魔だ。ああ邪魔くさい!長いし。やっぱり不要だったか・・・。

本宮までの参道よりも勾配がきついようにも思える石段を上りきり、奥社に到着した。
スタートから50分くらいか。思ったよりも早く着いたな。
奥社の正式名称は、「厳魂神社(いづたまじんじゃ)」だそうだ。荒々しい名前である。天狗を祀っているらしい?


ここからの眺めは、当然だが本宮からよりもすばらしい。絶景だ。


おみくじを引き、「小吉」との結果に落胆してから復路につく。

下る前に、スマートウォッチを確認。階段上昇値は、92と出ている。
出発時に15だったので、77階分の階段を上ったことになる。うーん、すごいね。


下りは、油断してると怪我につながる。焦らずいこう。
お昼どきを過ぎたからか、参拝客が増えてきたようだ。
もう上りたくないと駄々をこねる小さい子や、ゆっくりゆっくり上っていくお婆さんも。
ふと気づくと、あれほど邪魔だった杖はくだりではそれなりに役立っている。不要じゃなかった。ごめんよ。
焦らず進んでいたつもりだったが、下りはやはり早い。すぐに神馬の厩舎までもどってきた。
ふと見てみると、さっきはよく見えなかった月琴号が顔を覗かせている。
さっそく近くに行き、ご尊顔を拝する。ついでに写真も。思っていた通り綺麗な白馬だ。さすが神の馬だ。


売店が立ち並ぶところまで戻り、のどが渇いたなあと思っていたところに、さぬきビールの缶が目に入る。
これは飲まなくてはなるまい。売店のベンチを借りて休憩し、さぬきビールを呷る。うまい・・・。


ちょっといい気分になり、さらに下ると手焼きせんべいの香ばしい香りが漂ってくる。
香りに抗えず一枚買い、やはり店先で頂く。お茶をサービスしてくれた。
ちょっと焦げ目のついたお煎餅に煎茶で再度休憩。とても美味しい。お店に並ぶおみやげなど見ながら戴く。


木彫り工芸やうちわ等もゆっくり見たかったけれど、きりがないので外からつらつら眺める程度に留める。


無事に石段を下り終え、スタート地点に帰還。往復でおよそ2時間ほどか。

まんじゅう屋さんに杖を返し、寂れた商店街など覗きながら駅に戻る。
うどんを食べようか迷ったが、まだおなかは空いていない。
コインロッカーから荷物を引っ張り出し、再び土讃線へ。今夜の宿がある丸亀に移動するのだ。

金刀比羅宮、実は今回さほど深く考えずに参拝することを決めたのだが、とても良いところだった。
江戸時代には、お伊勢参りについで、金刀比羅さん参りが庶民の憧れだったとか。
現在でも参拝客が多く訪れているのも頷ける、魅力ある場所だ。ほんとうに来て良かった。

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