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クラフト〇〇の備長炭感。

okuruのコンセプトワードである「暮らしクラフト」。これ自体は自分のアタマから捻り出てきた言葉である。

が、ちょっと世の中を見てみると、
他にもクラフトビールが以前よりも盛り上がってる様子やクラフトボスが好評だったりと、この「クラフト」という概念がタピオカ的なバズ的な要素よりもロングテールでコアなファンに根付いているのでは?と感じたのが今日の記事の着想の起点。

身の回りの感覚から帰納的な発想で考えていくため、一般論を代表するものとならないことは事前に書き記しておく。

クラフト〇〇の長くジリジリ火がついてる感

今回、「クラフト」という概念に私たちが何を期待していて、何が心を動かしているのか、それはなぜか、ということを考察してみようと思った。

クラフトビールの例で言うとその定義は定まっているらしく、
•小規模であること
•独立していること
•伝統的であること
だそうだ。

また英語のcraftの意味は、技法、技巧、手工業、など。craftmanshipとすると、職人技と和訳できる。

色々と意味や定義はあるが、ここではその本来の定義などに囚われ過ぎずに現在の社会の文脈から考察したいと思う。

「クラフト」から受ける印象

まず率直に、クラフトというものから受ける印象を考えてみる。列挙すると以下のような印象だろうか。

・手作り感。
・時間、手間暇がかかっている
・職人芸、こだわりを感じる。
・長い歴史、伝統がある。

総じて、
「量産的ではないニッチ感」と「手間暇かけてこだわって手作りした高い信頼性」といったところだろうか。

この「ニッチでありつつも、信頼できる」のが主たる印象なのかなぁと思う。

クラフトボスの販売戦略も、初期に小ロットで販売し、SNSや口コミ話題となることで一気に販路を広げた様子を見てても、このニッチ感かつ信頼できる、という印象を利用したのかなぁとも推察できる。

ではこの「ニッチと信頼」の何が心惹かれる要素なのかを考える。

おらがめっけた。感

シンプルに言えば、この「クラフト=ニッチかつ信頼」は、ある種の良い掘り出しモノ感があるのではないか。

すなわち、「希少なモノを自分で見つけた!」とさも特別な体験をしていると思いやすいのではないだろうか。

その体験こそが、
大衆商品との比較といったマーケティング競争の影響を受けづらいブランド価値/ポジショニングとなるのではないだろうか。

たとえば、クラフトビールとアサヒスーパードライの味を真剣に比較してどちらかを選ぼうと考えたことがあるだろうか?おそらく比較しないのではないか。

また特別な体験と考えるとプレミア感に近しいものでもあるが、コストなどが高い印象も付き纏う感じがするのに対し、どちらかというとお値段そこそこなものを、自分が見つけた!という感覚なのではないだろうか。

クラフト〇〇の盛り上がりを感じるのは?

さて、クラフトに対して考察をしてきた。ではなぜ、少しずつクラフト感が盛り上がってきているのかを考えてみよう。

これはお金をかけずとも、特別な体験を感じたい人が増えた、またお金をかけずとも、特別な体験を探すことに時間をかけるようになったということではないか。

すなわち、大衆娯楽、大衆消費にお金、時間を投ずるくらいなら、自分なりに努力して探したモノコトに時間とお金を投資したいということか。

上記の状態のことを消費意欲の低下という文脈で語られているのではないだろうか。

つまり消費意欲が低下したのではなく、金銭的時間的な消費がクラフト路線にシフトしつつあるということではないか。

クラフト感を生み出すには/クラフト感で纏うためには

最後に、このクラフト感を生み出す、クラフト感を纏うにはを論考しておく。

生み出す/纏うに共通であるのは、Always be nicheなマインドというか。あまり大衆の意見を聞きすぎず、あくまで自分の進めたい方針を大切にするということだ。

なぜなら、その自分の進めたい方針に人は共感してついてくるのだから。当然その中で、離れていく人もいる、ただ今あることを恐れずに自分の意志で続けることだ。その先に新しい人との出会いもあるはずだ。

そしてクラフト感を纏い続けるためには、ブレずに続けること。ブレずに長く続けていくことが信頼に繋がっていくのだと、そう思う。

つまるところ、ミュージシャンや漫画家などアーティスト的な思考性なんだと思う。

どんなに流行りのアーティストも大衆に迎合するという毒に囚われた途端、尖っていた輝きを失い、結果として大衆を失うのだ。

大衆の意見を聞きすぎず、自分の作りたい世界を作る。そんな一見わがままで傲慢なところに、実は抜きん出る糸口があるんだと思う。

さて冒頭と最後に、私が最近ハマっている自家製スパイスカレーを載せた。これもある種のクラフト感があるといえよう。

「クラフトカレー」って命名したら、お金持ちになれる気がしてきたね。

おわります。