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雨上がりの散歩、そして10円玉

日曜日。弱い雨。

だらだらして過ごしなさい。
そういうことに違いない。

天気予報。
雨は昼頃までらしい。


15時過ぎ。散歩に出る。路面は湿ったまま。ところどころに水たまり。舗装の荒れっぷりがよく分かる。こういうのを調べる仕事があったな、なんて思ったが、そこに映った青色に気を取られた。

少し坂を登った交差点。中学生くらいだろうか。少年。自転車。道端のブロックに足をかけて、スマートフォンをじっと見ている。たまに指が動く。短文のやりとりらしい。

すぐ近くを通る。指先以外は微動だにせず。集中しているらしい。通り過ぎる。その少し先に自動販売機がある。行きつけの自販機であるがこの酷暑で御無沙汰していた。たまーに缶コーヒーを買う。

そういえば。

昨日は歯医者、百均、スーパーで、全ていわゆるセルフレジであった。人件費。性善説。いい歳である。いまさら万引きなんぞ、とも思ったが、晩年に困窮したら魔が差すこともありそうな気がする。

いや、その頃には技術が進歩してそんな衝動を抑制してくれる、、、か、いや、そもそも理性が危なっかしいわけで、じゃあ薬物かなにかで、となるのか。おそらくは顔認証かなにかで、万引きに成功したつもりでもあとでしっかり請求書が届くというオチだろう。

ちなみに歯医者のそれは、当初は現金のみだったが、しばらくしてクレジットカードも使えるようになった。現金を使う機会がまた減ってしまった。残すは、ああ、自販機くらいである。

自販機もそのうちキャッシュレスになるに違いない。というかさっさとなってほしい。完全にキャッシュレスになれば現金を扱う必要がなくなるから色々と楽だろう。

まぁ、そのあかつきには、いまの生活では現金を持ち歩く必要が、、、とも思ったが、あった。もうひとつ。100円玉を使うロッカーをたまに使う。これはさすがにこのままか。それともスマホかなにかを使う感じになるのか。

ああ、それと、野菜の無人販売所か。これはキャッシュレスは難しいだろうなぁ。既存の仕組みを使うにしてもネックは決済手数料か。無人のコンビニは既にあるけれど、乖離かいりがひどすぎて意味不明か。

いっそ野菜の無人販売用の決済システムを作って、、、手数料は野菜で。いや、ちょっと、それもどうかなー。

気温が落ち着くとそんなアホなことを考える余裕もでてくる。激しく暑いとひたすら日陰を探しているか、今季は最強レベル?の日傘を導入したので、いや、でも、なんだかんだで暑いので、日傘凄い、日傘凄い、くらいのことしか考えられない。

猫発見。

レンズを向ける。逃げられた。それにしてもあの酷暑をどうやり過ごしたのか。夏の間はまるで見かけなかった。最近生まれたってサイズでもない。子猫としても、それなら親猫は?、ってことになる。

少し歩いて交差点へ戻ってきた。遠目に少年の姿が見えた。姿勢は変わっていないように見える。ずーっと固まっているらしい。

猫発見。

レンズで追う。道を渡り、畑へ侵入し、段差の向こうへ去っていった。なんとなしにそのまま視線を上げると虹が出ていた。なんか、久しぶりだ。

人通りがちらほら。気づいた人は立ち止まってスマホを向けている。例の少年はしかし固まったままだ。虹は彼のほぼ正面である。ちょいと見上げればすぐに気づくだろう。声をかけてみるか。ちらとそんなことも考えたがすぐに却下した。そこまででもないだろう。

再び彼の横を通り過ぎて自販機へ。コーヒーでも、と思ったら100円玉がない。とりあえず10円玉を入れる。次いで500円玉。返ってきた。リトライ。駄目。受け付けてくれない。1000円札は使えない自販機だった。

仕方がないのでキャンセル。返却レバーを下げるが無反応。二度三度と繰り返す。駄目か。やられた。10円玉、ロスト。

得たもの:色々。
失ったもの:10円玉。


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