窓を開ければ

この夏、南側の部屋は。

エアコンをつけっぱなしにしていた。
カーテンも半ば閉めっぱなしにしていた。

暑かったので。

ようやく涼しくなってきた。

ので、エアコンを止めて、
窓を少し開けてみたら。

最初に虫の声。

鈴虫かコオロギか。

次に、外の音。

風の音。
遠くを走る車の音。

そして、赤子の声。

若い頃なら、
あー、もー、うるさいなー、だったろうが。

耳を澄ませて、
あれは、空腹かね？、なんて、相方に。

よく、虫の声も、
外国人にはノイズだ、なんていうが。

赤子の泣く声も同じなのだろう。
聞く人次第なのだろう。

騒がしくても、
いまはもう、懐かしさしかない。

数年前なら。

どこからともなく風鈴の音が聞こえた。

引っ越されたのか、
近所に文句でも言われたのか。

いろいろ、あるなぁ。

なんて浸ってたら。

酔っ払いなのか、自転車で、
何かの歌が通り抜けていった。

自転車でも、
飲酒運転はよろしくない。

シラフでも、
それはそれでどうか。

閉じた世界は
平穏ではあるけどね‥‥。