201203【結婚式のスピーチを考える】
涙活が流行ったその年、淡い高校生デートを思い出しながら書き上げる途中だが、時間を2020年12月に戻して書く。
今年も残り1ヶ月を切った。12月、もう12月か。歳を取る度、一年が早く過ぎるように感じる。30年ちょっとを生きていてそう感じるのだから、この先はより顕著に感じるかもしれない。この現象、法則を「ジャネーの法則」と呼ぶらしい。たぶん、今日の駄文のピークはこの部分の「へぇ~。」であるので、期待はしないでほしい。
さて、12月、世界は相も変わらずコロナの影響を受けている。仕事終わりに飲みに行こうとしても、自治体からの要請で店舗の営業は22時で終わっている店がほとんど。忘年会シーズン、今年は抑えめだ。自分の尺度で申し訳ないが、年々仕事で出会う人は有り難いことに増えていて、色んな人と飲みに行くことが増えた。プライベートで出会う人も独身の頃は年々増えたが、結婚してからはちょっと落ち着いた。そんな自分の周りの人と、今年はどうしても気軽に「行きますか?」と誘うことができない。もどかしいけど、仕方ないね。我慢しますか。
そんな12月、大学時代の同級生、戦友の結婚式に呼ばれている。この結婚式を執り行うにしても、今日のコロナの影響を受けているようだ。披露宴会場のコロナ対策が事前に共有された。また、遠方からのゲストはキャンセルも出ている。
制限がある中での式になるが、とても楽しみにしている。毎年コンスタントに呼ばれるイベントじゃないけど、この結婚式ってコンテンツ、呼ばれる身としてはいつもワクワクしている。このワクワクって、幼い時にはなかったものだ。というか、子どもの時、性格が曲がっていた自分は、「ワクワク」ていう感情があったのかな。テレビでヒーロー戦隊シリーズには興味なかったし、アニメや漫画にも興味はあまりなかった。放課後、何をして過ごしていたのだろうといえば、近所の公園で野球をしていたくらいだった。好きな子がいるわけでもないし、日常にワクワクは存在していたのだろうか。「ワクワク」はないけど、「ドキドキ」はあったかもしれない。そんな、大舞台に出る人間じゃないけど、一応、少年野球の選手宣誓は経験している。あれ、当時のガキな自分にはドキドキしたなぁ。何言ったか覚えてないけど。
社会人になって、25歳、30歳くらいの節目に駆け込む義務があるのか分からないけど、結婚式は、偏差値は低いながらも大人になった僕らの一大イベント、会合だ。大理石で埋め尽くされたチャペル、何度挑戦しても音程についていけない賛美歌、フラワーシャワーを思いっきり。普段食べることができない高級食材、新婦側に可愛い子はいないか調査、二次会では偶然を装い隣に座る。独身時代は出会い、もしかしたらアバンチュールがあるかもと信じてきた結婚式。
ゲストの一人なのに、ワクワクもドキドキもあった。また、結婚式、披露宴、二次会も含めれば、久しぶりに会う人も多々。サークルの先輩、後輩に、地元の同級生等。誰々の結婚式をハブにして、自分は楽しんできた。もちろんいつも以上にお酒も進む。昔好きだった人、そうそう、元カノにもこういう時に会ったりしている。「あいつ今何してる?」状態ではないかと思うが、自分はなんとか生きています。とアピールもせねば。
そんな大人の一大イベント結婚式において、大役を任された。
友人代表のスピーチである。
うわー、ついに来たかーという感じ。「はい、喜んで。」と形式的に返したが、どうしようか。今まで複数回結婚式、披露宴に参加してきたし、自分も結婚式を挙げてきた。その中で、印象に残っているスピーチというと、、、うーん、あるかな。
恥ずかしながら自分の挙式の際は、友人代表のスピーチをお願いしたのは、広告代理店勤務で、高校時代同じ野球部で毎度移動のバスの隣席だった友人であり、大クライアントだった。彼は、平成から令和になる4月の挙式に合わせ、カンペを年号発表のような額縁で表現して、「平成最後のカンペ」と会場内に提示しながらスピーチを展開してくれた。その瞬間は笑えたが、スピーチの中身はというと、あんまり覚えていないのだ。おそらくクリエイティブでスマートなスピーチかと思うが、結婚式はあっという間に過ぎていくもので覚えていない。
そんなスピーチなんだから、好きなことを話せばいい。と考えちゃうもんだが、ちょっとはカッコつけたいなぁというのが正直なところ。また、新郎の友人に恥じないスピーチに仕上げたい。
こういう時、何を話せばいいんだ。
友人代表スピーチの鉄板はエピソードトークと教科書を開く。彼とのエピソード、候補を挙げたらきりがない。初対面時の田舎なまりのスゴさに鼓膜が驚いた話、合コンで失敗した話、ゲロを処理した話。サークルの合宿でかくし芸大会が行われ漫才をして優勝した話、夜な夜なAKBドンジャラをした話、夏フェスで出会った子とのアバンチュール、初めて彼に後の妻を紹介した際に飲みすぎてやっぱりゲロを処理した話。大学生で出会い、社会人になって仕事が忙しくても、バカな事をする時、笑う時、苦しいときも彼が一緒にいた。そんな話をしようかと思う。
ただ、それでは自分と新郎の彼と、新郎側の席にいる大学の先輩後輩、披露宴会場内の一角しか盛り上がらないんじゃないかと心配になる。そこまで気遣う必要もないのかもしれないが。
せっかくの場だし、貴重なスピーチの時間をいただくわけだから、何かしら集ったゲストの皆さん、強いては両家にとってもタメになる話をしたい。どこの馬の骨とも分からない人間が提示することではないが、30歳を過ぎて、「あの時はアホでした!!」的なノリで終わるわけにはいかないのだ。たぶん。
さて、何を話そうか。
オファーを受けたのは9月なのに、何も考えてないや。そこで今のネット社会を駆使するのだ。今ってスゴいの。You Tubeで【結婚式 友人スピーチ】って検索すれば、数多の動画が並ぶ。その動画を順に観ながら、良いセリフ、言い回しを参考にする。幾つかの言葉をピックして、繋げてみたら、言葉のデパートではあるが、ちんどん屋的になってしまった。あと、こんな難解な言葉に展開、覚えられないや。
最初に断言しておくが、カンペは絶対に用いたくない。カンペを使うのは大事なテスト、試験の時だけと決めている。それも良くないのだが。過去に一度、新郎がスピーチする際、人前で話すのが慣れていない人だったのか、オールカンペの結婚式に参加したことがあるが、どこかカッコ悪いなと思ったの。だから、自分の結婚式の時は、カンペなんて用いず、猫背ながらも話しきった。
今回は友人代表として、カンペを用いず、生の言葉でスピーチしたい。何もプライドはないんだけどさ。
だから、当日に向けて、準備はしっかりしておきたいなぁ。色んな動画を参考にして、ウマく自分仕様に編集して、結婚式当日を迎えたい。たぶん、当日はスピーチが終わるまで、お酒は控えようと思う。めっちゃ飲みたいけどね。当日までにベターなスピーチの画が描けなかったら、式当日、控室からベロンベロンに酔っ払って、スピーチに挑むのも良いのかなと思っている。
千鳥足でマイクを掴んで、「どいつもこいつも幸せになりやがってよー!!」って叫ぶ画をモテキで観たことがある。そんな事はできないな、一応、自分は好青年なので。
あぁあ、少しは聞き手を感動させたい。とりあえず、スピーチにおいても、ビジネスにおいても、大事なのは「プアなイノベーションより優れたイミテーション」と後輩に指導している。だから、このスピーチ、優れたイミテーションで挑もうと思う。何か、良い言い回しを探している。
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