見出し画像

職人という言葉

自分のことを職人と呼べるようになったのは割と最近のこと。

職人とはその道を究めてもなお前進している人と私は思っていて、それは間違いないと思うんです。

自分は該当するわけでもなく、服作りを続けている人間のひとりという認識でした。

お直し店で働き始めたとき、その店では作業スタッフのことを職人と呼んでいました。

呼ばれ慣れない肩書に内心動揺していたのが懐かしいです。

縫製技術者という言葉の方が馴染みがあって、まさか自分が職人と呼ばれることになるとは思ってもいませんでした。


私は縫製工場での経験がありません。

入ったアパレルメーカーでパターンと縫製に携われて、たまたま直近の上司が詳しい縫製技術を持っていて工場とのつながりの強い方だったので、仕立て方や裏ワザなどの大半はその方から学んだものです。

社内で縫製工場のような部分縫いや実践を経験させてもらえたことがとくに大きいです。

当時お世話になっていた工場さんはほとんど日本国内で、個人で縫われている方もいらっしゃいました。

いずれも仕上がってくる服は素晴らしい仕立てで、指示以上に表現してくださるので尊敬の念に堪えませんでした。

その後も様々な技術者に出会い、常に教わることがたくさんありました。もちろん現在も。


職人と聞くとその方々を思い出してしまい、今でもハッシュタグに使っている自分に名乗って大丈夫かと問う。

今はこの知り得る技術が他の誰かにとって役に立つならば、呼ばれてもいいのかなとハードルが下がった次第です。


ご覧頂きありがとうございます。心温かいサポートは洋裁辞書のようにしたいYouTubeチャンネル運営の活動費に充てさせていただきます。