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問題解決の基礎of基礎「問題解決プロフェッショナル」

問題解決の基礎を

  • 2つの思考法:「ゼロベース思考」「仮説思考」

  • 2つのフレームワーク:「MECE」「ロジックツリー」

をもとに事例を交えながら解説している本。ロングセラーとのこと。

コンサル寄りな発想と解説なので、前提条件が多様なスタートアップでは全てがそのまま成立するわけじゃないと感じる部分もありますが、事業会社でもおおいに役立つ汎用的な知識だなと感じました。何より図解や事例を踏まえた解説が分かりやすく、実務に活かせるイメージが湧きやすい点が良かったです。内容は短いですが、とても勉強になりました。

印象に残った箇所を抜粋、コメントしていきます。

ゼロベース思考 とは、「既成の枠」を取り外して考えるということである。胸に手を当てて考えてみるといい。ビジネスの現場にはいつもさまざまな枠がある。問題を解決しようとするときに、いつもと同じ枠の中で考えていたり、あるいは他人の作った枠を意識しすぎてはいないか。

「ドトールコーヒーショップ」も ゼロベース思考 で成功した例だ。従来の喫茶店では1杯500円もするうえ、店によって味のバラツキが大きいコーヒーを、当初1杯150円という画期的な価格で、しかもおいしいコーヒーを提供した。いまでは1店舗当たり、1日数百人から1000人以上もの来客を誇る。これはまさしく、外飲コーヒー・ビジネスの概念を根底から大きく変えたといっても過言ではない。 この場合の ゼロベース思考 は何か。喫茶店に1日数百人も、1000人以上も入るということなどありえない。だから単価を低くすることなどできないと考える「既成の枠組み」を取り払い、消費者の行動を考え抜いたことにある

ゼロベース思考、第一原理思考。

仮説思考 とは、限られた時間、限られた情報しかなくとも、必ずその時点での結論を持ち、実行に移すということである。とにかく早く結論を出して、早く実行に移す。そして、その結果を早く検証して次のステップにつなげていく。刻々と変化する現代においては、このスピードが命運を分ける。時間をかけて緻密な分析によって精度を高めようとするよりも、ざっくりでもいいから短時間であるレベルの結論を出し、アクションに結び付けることが重要なのだ。

最初は的を外しても、常にアクションに結び付く結論を持つということを心がけると、確実に精度は上がる。ビジネスの現場では1つの具体的結論が100の評論に勝ることを肝に銘じてほしい。

結論を持って背後の理由やメカニズムを把握するというアプローチは、英語圏の人間にとっては馴染みやすいだろう。彼らは常にこう話す。「I think( 私はこう思う)、because( なぜなら……)」。まさに 仮説思考 と同じ論理体系が文法に使われ、小さなときから当たり前のように使われている。ところが日本語はそうはなっていない。起承転結の流れの中ではどうしても結論が最後にくるために、最悪の場合時間切れになり、結論にたどり着かないまま議論が終わってしまう。

仮説思考の説明がわかりやすかった。そして日本語の文法が根本的にこれに向いてないのは本当にその通り。日本人が言語に制約される形で仮説思考が苦手なのは一定あると思うので、なおさら意識することが大事なのかもしれない。

仮説を持って検証・実行すると、より精度の高い情報がより楽に集まるため、効率はかなり高まる。一方、初めに結論を持たずに状況の説明から始めると、SO WHAT?という質問に対して、さらに検討いたしますという答弁になりやすく、決定ができないままに終わってしまうことになる。 とにかく、限られた時間、限られた情報であっても、常にSO WHAT?を自問自答し、具体的結論=仮説を持つように心がけることが大事だ。

これはスタートアップでは特に本当に大事。

ソリューション・システム とはビジネス上の課題を分析し、具体的解決策を立案するための問題解決法である。これを大きく3つのプロセス、「課題の設定」「解決策の仮説」「解決策の検証・評価」に分けて考えていこう

ソリューション・システム とは、 ゼロベース思考 仮説思考 の2つの思考と、 MECE ロジックツリー の2つの技術を駆使した問題解決のプロセスである

解決策そのもののハードな面は、大きく4つの基準から評価される。
・期待成果:解決策のもたらす効果を売上げ、利益、成長性の視点から評価
・投入資源:ヒト・モノ・カネの投入資源の量とそれぞれに関する企業の制約条件から評価
・リスク:市場や競合関係(対競合の差別化要因)の急変による変動や失敗のリスクをダウンサイドとアップサイドの両面から評価
・展開スピード:上記の3要素すべてに関係するが、いずれにしても成功の結果を早く出すための、早期立ち上げのスピードの評価
こうしたハードな側面は評価が比較的容易であるが、それ以上に重要なのは、ソフト面の評価基準3つ。
・企業スタイル、理念との整合性
・トップのコミットメント( 責任/決意)
・リーダーシップのある実務レベルの推進者の有無
要するに、解決策がどんなに立派でも、それを強力に推進する旗振り役と実行責任者が万難を排して実行しなければ、何の結果も生まれない。

ロジックツリーをもとに3つのステップで問題解決を進める「ソリューションシステム」は汎用性が高くて何にでも適用できるフレームワーク。詳しくは図解ふくめて中身を読むことをおすすめします。



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