SSSS.GRIDMANを見て〜特撮とセカイ系の調和〜
・SSSS.GRIDMANとは
SSSS.GRIDMANとは、新条アカネの心の補完を行う物語である。
基本的には特撮ヒーローものではおなじみの”街に突如怪獣が現れ、グリッドマンが倒す”展開をベースに話は進んでいく。
グリッドマンは「ジャンク」という古いパソコンの中にいるハイパーエージェント。主人公、響祐太と合体することでグリッドマンは怪獣と戦うことができる。
※以下、印象に残った話毎にネタバレを含みながら感想を書いていきます。
・第2話
サムライ・キャリバーが変身したグリッドマンキャリバーを使って怪獣を倒す。グリッドマンキャリバーを手にした瞬間のグリッドマンは、構図がとってもcool!!
何度も見たくなる画となっている…以後グリッドマンキャリバーが登場するときに、何度も見られるのでありがたい。
・第3話
アンチという名の少年が、新条アカネの指示を受けて怪獣に変身し、グリッドマンの前に立ちはだかる。アンチは怪獣となっていても人語を話すことができる。
人語を話すアンチを人間だと思ったグリッドマン(響祐太)は一瞬、攻撃を躊躇する。―このシーンは、『ヱヴァンゲリヲン破』の初号機対バルディエル戦を彷彿とさせる―初号機のパイロット碇シンジは、アスカが乗っているバルディエルを攻撃できずにやられるがままだった。
見かねた碇シンジの父親、碇ゲンドウはダミーシステムを起動し、シンジの想いとは裏腹にアスカが乗っているバルディエルを容赦なく破壊する。
これ以来、シンジはエヴァンゲリオンに乗ることを拒絶する。
・第8話
第1話で登場した怪獣を機械化し、強化された怪獣が登場する―メカゴジラを想起させられる―
グリッドマンは4つすべてのアシストウェポンと合体し、フルパワーグリッドマンとなり怪獣を倒す。
グリッドマンがフルパワーグリッドマンへ合体するシーンは、グリッドマンキャリバーの時とはまた違った、郷愁を伴うカッコよさを感じずにはいられない…このシーンもフルパワーグリッドマンとなるときに、再度見ることができる。
・第11話、第12話
新条アカネが最強の怪獣となる―これはまさに『魔法少女まどか☆マギカ』のワルプルギスの夜ではないか!―ワルプルギスの夜にまどかが殺される、もしくは勝利と引き換えに鹿目まどかが魔女化し世界を滅亡させるか、どちらの結末しかないという絶望的な状況がわかってもなお、時間遡行を繰り返しながら戦い続ける、暁美ほむら。
最強の魔法少女にして最悪の魔女となりうる素質を持った、まどかの”ねがい”は「過去、現在、未来、全宇宙に存在する全ての魔女を、生まれる前に自分の手で消し去ること」
この”ねがい”によって宇宙の因果は再構築され、まどかは全宇宙の魔女を存在させないための概念と昇華した。
GRIDMANでは新条アカネ-碇シンジでも鹿目まどかでもなくーの心の救済は、グリッドマンのフィクサービームと六花の言葉で成就する。
・まとめ
特撮ヒーローものと、エヴァやまどか☆マギカetc...的な要素が散りばめられていて、その調和が心地よく最後まで見ることができた。
作中に登場する特撮オタクの内海のセリフに対して、ときどきうるさいと感じる事があった。
皮肉を交えながら話の展開を先読みする発言を内海はよくしていたが、これを聞いた私は「この流れではそうじゃなくてこうだ」や「その展開はエヴァでもあったな」など、気がつけば内海にツッコミを入れている自分がいた。
なるほどうるさいと感じたのは、自分の予想と内海の意見とが食い違った時に他ならなかった。内海は視聴者の代弁者である…というのは見せかけの虚像であって、実際には視聴者それぞれの展開予想を促す”ギミック“として機能していたのでは無いだろうか。
もしそうであるなら、まんまと罠に引っかかってしまったようで悔しいが、これも一つの楽しみ方…というか実際楽しんだので、グリッドマンに心から感謝したいと思う。
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