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神様のカルテ 夏川草介 小学館文庫

オーディブルにて。
地域医療の現実と大学病院の医療。
死亡率100%の人間にとって、生きるとはどういうことか、幸せとはどういうことか考えさせられる物語。

古風な言い回しが特徴的。
とぼけたような描写に思わずクスリと笑ってしまうような場面も。

著者は現役の内科医師であるという。
たとえば、余命いくばくもない患者と出会った時に、どう対応すればより良い時間だったと感じてもらえるかを考える。文章を書くことで、人間としてのバランスを取り戻すことができる。
そんな意味のインタビュー記事を読むと、主人公と著者のイメージが重なって見える。
こういう哲学を持った医師と出会えた患者は幸せだろうと思う。
生きることへの向き合い方を考えることは、時に高度な最新医療と同じくらい、人を救うことになるのかもしれない。そんなことを考えさせられた。

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