文学フリマ福岡2023

文学フリマ(以下文フリ)に出た。
出店者としては去年ぶり、2回目の参加になる。去年出した小説本の再販と新しく書いた新刊を用意した。
去年と違うのは、売り物の搬入に宅配搬入を選んだことだ。わたしがお世話になっている印刷所は文フリと提携しており直接会場に送ることができるらしい。ありがたく使わせてもらうことにした。

カラーリングほぼ同じ…ってコト!?

10:00ぴったりに会場入り。
今年は出店者の数が過去最高らしく2フロアに分けられていた。わたしのブースは8F大ホールで、もうひとつの中ホールに比べてかなり広かった。
自分のブースに行くと、既に荷物(本)が置かれていた。楽すぎる。去年ヒーヒー言いながらスーツケースを転がしたのはなんだったのか。今後は絶対に宅配搬入しか選ばんと決めた。
フォロワーさんや近隣のサークル主さんに挨拶しつつ設営を進める。
しかししょっぱなから荷物の謎の二重蓋(?)がどうやっても開けられず「なんか開かなくてェ……頑張ったけどほんとに全然開かなくてェ……」とご近所さんに泣きついて開けてもらった。みんな設営で忙しいのにね。バカが代。

11:00開場。
去年はワーッとなだれこんできた印象あったけど今年はそうでもなかった気がする。ブースがド奥だったせいかも。
開場を待ちわびていた出展者や参加者のテンションもブチ上がる。あちこちから「こんにちはー!」「見ていってくださーい!」と声が上がった。わたしもそれに倣った。
ただわたしのブースには気の利いた無配本(フリーペーパー的なもの)などはなく、声だけだとなんもわからんのでこれを用意した。

オタクのカンペ?

これが意外にウケて、足を止めてくれた人に小笑いを提供できた。別にそんな面白いこと書いてないのに「写真撮ってもいいですか?」と言ってくれる方もいた。逆にこんなのでデータフォルダの容量圧迫していいんですか…?と思った。

ちなみにカンペを見せたとき、興味を持ってもらえたのは圧倒的に後者の『推しがいる生活』だった。
驚くことに老若男女問わずで、ご年配の方も「推し活ってテレビで見たことある」と仰っていた。若年層の方は「私も推し活してて」「友達が推しに夢中で」という方が多かった。
推し活って本当に根付いているんだな、時代も変わってきたな…としみじみ感じながら「推しがいないと社会不適合者みたいに思われる世界の話で…」と解説した。無茶苦茶である。

今回新刊の『ゴーストライターは踊る』もありがたいことにたくさん手に取っていただけた。
「創作の才がない人間は地下世界に落とされてます」と例によって無茶苦茶説明をしたところ「面白そう」「怖そう」と反応が真っ二つに分かれた。
ちなみに極一部ではあるが「そうなればいいのに…」と仰っていた方もいた。そっか…となった。

実際のブースはこんな感じ。宣伝文句が最悪すぎる。

去年もそうだったけど、文フリは1ブースにつき1人までという人数制限がある。コロナ対策とかなんかそういう理由らしい。
わたしは個人サークルなので交代とかその辺は関係ないとして、問題は休憩をどうするかだ。
人間なので当たり前にお手洗いは行くし、オタクなので当たり前に他のブースも見たい。とはいえひっきりなしに人は来るので「こんにちはー!」botから抜け出せない。
それでもなんとか合間を縫って見て回った。絶対に行きたかったサークルは回れたけど、正直もう少しゆっくり見て回る時間がほしかったと思う。来年からはせめて2名体制OKにしてほしい。

午後になっても相変わらず人が絶えない。体感だけど2周目かなという人や、サークル主さんかなと思われる人が増えた。
嬉しかったのが「去年の本が面白かったから新刊も買おうと思って」とか「カタログを見て面白そうだったから」という人がたくさん来てくれたことだ。
わたしの作品は万人受けしない自覚があるので、興味を持ってもらえるだけでも嬉しいのに、リピートしてくれる人までいる。2冊まとめて買ってくれる人もいた。
単純明快シンプルに嬉しすぎて全力で「ありがとうございます!!!!」と絶叫したのでうるさかったかもしれない。

そんなこんなで16:00になり、イベントが終了した。
今年は来場者が1419名と過去最高だったらしい。確か去年(837名)も過去最高と言われていたので例年更新していることになる。ボジョレーワインみたいだな。
さてわたしの本はというと、ありがたいことにたくさん手に取ってもらえた。しかしとてもじゃないけど在庫を持ち帰る気力はなかったので、郵送で自宅まで送ることにした。
もともとそのつもりで梱包資材は準備していた。ダンボールは搬入時のものを使えばいい。こりゃ楽だな~と梱包をしていて気付いた。

あれ?
持ってきたこれって、ガムテープじゃなくない?
養生テープじゃない?????????
…………。

それではご起立ください。
~国歌斉唱 バカが代~

養生テープは粘着力が弱いので、当たり前に梱包に向かない。軽いものならまだいいけどね。本は重いので普通に危うい。
しかもわたしのテープは幅が細いタイプだった。なんでこんなショボいもん持ってきた?
三重くらいにすればなんとかなるかも…などと悪戦苦闘していたらご近所さんがガムテープを貸してくれた。もう大恥である。穴があったら入りたい。
その後も荷物を抱えてヨタヨタしていたらスタッフさんが荷台に乗せてくれたり、色んな人の優しさに甘えながら2回目の文フリを終えた。わたしの人生こんなんばっかだな。

こういうイベント事になると特に感じるけど、人間って捨てたもんじゃない。もちろん嫌な奴もいるけど、優しい人のほうが圧倒的に多い。
差し入れをくれた現地のフォロワーさん、別にそこまで小説好きじゃないのに駆けつけてくれた友人、通販を楽しみにしてくれている遠方のフォロワーさん。
みんないい人ばかりだ。文フリというイベントも、参加者やスタッフの善意で成り立っているのだとしみじみ感じた。

それはそれとして人間のキモい話ばっかり書いちゃうんだよね~~
それはそれ。これはこれ。ヒトカスのキッショい話、だ〜いすき!
きっと来年もそんな話を書いて参加すると思うので、遊びにきていただければ嬉しいです。



掻き集めた戦利品を見せびらかしつつ、〆


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