【マンガでわかる ピーター・リンチの投資術】1.3 非論理的な思考は投資の失敗のもと

株価チャートだけで判断しない

リンチにいわせると、業績不振で大きく株価が落ちたときに、その時々の市場の情勢や経営状況によってはさらに株価は下がっていく。

株投資はチャートがすべてではなく、業界全体の競争や景気も見ないと成功しない。

失敗を避けられるよう、リンチが挙げる「投資家がよく口にする誤った考え方」をいくつか紹介しよう。

実例1 株価が底値になったら感覚でわかる

株価の底値を狙う人はよく、安いと判断したときにいったん買い、その後さらに下がったら再度買う「ナンピン」という手法を用いる。

一般に「落ちるナイフは掴むな」という投資格言があり、リンチはこの格言になぞらえて「ナイフが地面に刺さるのを待ち、揺れ動きが収まってから掴むべきだ」と語っている。

実例2 結局株価は戻る

大企業は一時的に株価が落ち込んでも数年後に上昇することも多いが、日本航空のように経営破たんによって上場廃止となるケースもあるため、「大企業だから株価は戻る」という考えは誤りである。

実例3 株価が上がったから正しい投資をした。株価が下がったから間違った投資をした。

リンチは株価で投資の正しさを言及しない。
彼が狙っているのは「企業の成長」である。

「非論理的な思考」に陥らない

これらの考え方に多いのは、「将来、株価が上がる見込みがあるのか」を確認せず、現在の株価を見て惑わされてしまう点だ。

リンチは、「すべての株の背後には会社がある」という言葉を残している。リンチはまだ株価が安く、今後成長が見込まれる企業を見つけ、そこに投資をして成功したのが。

リンチ流の投資術の第一歩は、株価チャートに張り付くことではなく、企業そのものへの注目にあるといってよいだろう。

POINT

  • 視野が狭くなる考え方はしない

  • 株価チャートだけではなく、業績の伸びや、業績を上げるための工夫に注目する

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