【マンガでわかる ピーター・リンチの投資術】1.5 銘柄のタイプを見分けテンバガーを狙う

株は6つに分類できる

株価は、市場全体の流れ、景気の変動によって大幅に上昇することがあるが、どんな企業がどういった値動きをするのかは、ある程度分類できる。

小規模な企業であれば、そののびしろに期待できるのだ。

各分類の特徴

本田技研工業のように、すでに成熟し、成長率が小さくなっている銘柄を「低成長株」という。

成長率とは、毎年の利益がどれだけ増加しているかを表す数字のこと(利益成長率とする)。

低成長株は配当や株主優待目当てであれば向いているが、テンバガーを狙うのには向いていない。

大企業のなかでも、低成長株を上回る成長を示すのが「優良株」だ。
企業規模が大きいため不況時に強いという利点がある。

しかし、まとまった利益を得るには10~20年ほどの長い年月がかかるため、同じ時間をかけるなら後述の急成長株を買って10倍になるのを狙ったほうが、より多くの利益を生み出せる。

3つ目は「資産株」。アナリストやプロの投資家がまだ見つけていない、何らかの資産を持っている銘柄のことである。

資産のうち、もっとも価値を把握しやすいのは不動産である。
企業によっては、自社の土地の時価総額を有価証券報告書内で公表していることがあるため、不動産価格に詳しくなくても簡単に調べられる。

テンバガーになりやすい株

「急成長株」は、年20~25%の速度で成長し、10倍のみならず100倍、200倍を目指すことのできる株だ。

ただし、このタイプの株は途中で資金繰りが厳しくなり、息切れしてしまう(倒産、あるいは事業を縮小してしまう)ケースもある。

5つ目は「市況関連株」。
世の中の動向(景気や政策など)によって売上が上下を繰り返すという特徴がある。

市況関連株は規模が大きくて有名な企業が多いため、よく優良株と混同されがちである。

最後は「業績回復株」。
業績不振に陥っている銘柄である。

回復の可能性があるかを見分けるには、資産と負債はいくらあるか、経費削減を行っているか、不採算部門を整理しているかを確認する方法がある。

リンチは、業績回復株に投資をして、大きな実績を残している。

どの分類に入るかを検討する。

これらの分類はあくまで一時的なものであり、状況に応じて別の分類に変化することがある。

分類ごとに期待できる収益が異なるため、気になる銘柄を見つけた際は、会社規模、業績推移、資産などを確認し、どれに当てはまるのかを検討するべきだ。

①のチャートのように、2,3年間といった狭い期間だけを見ていると株の分類を誤解する恐れがある。

POINT

  • 小型株は大型株に比べて業績にのびしろがあり、株価上昇を狙いやすい

  • テンバガーを狙えるのは「急成長株」「市況関連株」「業績回復株」の3つ


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