【所感】質的栄養失調が改善できると自分の医者になれるらしい
医者に頼らない! すべての不調は自分で治せる
藤川徳美
読後、「私は私の医者になる!」と宣言したくなりました。
体質かもしれない、と諦めていた不調が自分に合った栄養をとることで改善されたら素敵ですよね。
簡単な要約
私たちがよく好むお米と菜食中心の食事は、糖質過剰とタンパク不足を招きます。
一方で人が健康を維持するためにはたくさんの栄養が必要ですが、それを食事だけで賄うのは至難の業です。
それらを解決するためにできたのが、プロテインとサプリメントでした。
作者が参考にしているのは分子栄養学。
炭水化物やお菓子を控え、お肉中心の食事をします。それでも足りないものをプロテインとサプリメントで補うという考えです。
現代の発明であるスマホやネットなどを利用するように、プロテインやサプリメントを上手に活用しましょうという内容でした。
古代の食事に戻ろう
私は文字のなかった先史時代と呼ばれる古代史が好きです。
本書のお肉中心の食事が健康的なんだという考え方は、古代史の狩猟生活を思い起こさせました。
狩猟を行う古代日本人は、主に大型動物が絶滅するまでお肉中心の生活を1万年以上続けていたみたいですよ。
現代の変化に体はついていけていない、という言葉をよく見かけます。
本の内容が正しいのであれば、私たちは自覚している以上に農耕生活には対応していなかったのかもしれません。
作者の主張は、古代人の食生活に戻りつつ、現代の化学をうまく利用しようというように見えました。
全部バッサリ
本の中で一番面白いなと思ったのは、よくいわれている定説をぶった斬っている部分でした。
「野菜は健康にいい」が、ビタミンなどの栄養素を食事だけで必要量とるのは無謀だから諦めてサプリメントを活用しなさい。
というような感じで、作者の考えとともに、自論の正しさや、様々な反論などが書かれていました。
鉄の過剰摂取の危険性も、丁寧に書かれていて面白かったです。
ビタミンには脂溶性と水溶性があります。水溶性は、余分が尿から排出されるはずなのに、過剰接種による病気があるんですよ。
何でだろうと思っていたんですが、鉄は摂取方法の違いによって問題が起こるらしいです。
水溶性ビタミンの過剰症状にも同様に何かしらの共通点があるのかなと想像したりしていました。
問題は仮説ができても調べ方がわからないので確認できないことでしょうか。確認が取れないと理解したつもり止まりになるんですよ。
手がかりはオーソモレキュラーです。ちょっと調べてみたら、全部か一部か知りませんが論文を公開していました。
作者は勉強しなさいと書いていたんですが、こういうのはどこで学べるんでしょうね。
医学論文が製薬会社に都合よく書かれているため、実はエビデンスなどあるようでないというのも笑いました。
薬の成分表示などを見ていると、サプリメントとの違いがわからないなと思っていたんです。
サプリメントは効かないという説があるんですよ。
でも、薬の成分表示には様々なビタミンやミネラルなどが書かれていて、あれ?と思っていたんです。
たとえば、一口に頭痛といってもいろんな種類があって、人間一人一人体質も異なります。
複数のビタミンやミネラルなどが一度に取れるのが薬だとした場合、薬は割合が決まっているでしょう。
だったら、同じ成分をサプリメントで自分に合わせてとったほうが、予防に鎮静にと要領良く対処できるのではないかと考えました。
薬とサプリメントに、大きな違いがないように見えたんですよね。
むしろ、サプリメントのほうが薬より使い勝手が良さそうだとも思いました。
でも、サプリメントは薬と違って効用はないともいわれているんです。
本には、製薬会社は薬を売りたいので、サプリメントの効用はないほうが都合いいと書かれていたんですよ。
私は知識も経験も足りない上に、情報収集も苦手なので、作者の論が正しいのか、サプリメントには本当に効用がないのかもわかりません。
ただ、疑問に思っていたことがズバッと切り捨てられていて笑っちゃいました。ハッキリキッパリと書かれていて気持ちが良かったです。
あなたがあなた自身の医者である
私は今、精神科に通っています。しかし、それは医師に治してもらうためではなく、専門家の判断を聞く必要があると思ったからでした。
実際に精神科で薬を処方してもらっている今、私はそれを治すとは言えないのではないかと思うんですよね。
確かに医師は治療をしてくれるけど、それは急場凌ぎでしかないし、薬を処方してもらっても一時凌ぎにしかなりません。
それで十分な場合には良いのだけど、自分や生活を変えなければ生涯医師に依存しなければいけなくなります。
医師は病気の専門家であって、健康の専門家ではありません。施してくれるのは、あくまでも薬を中心とした病気の対処療法です。
病気に対処できれば健康になれるというわけではないんです。健康を維持できなかったから病気になるんですよ。
結局のところ、病気を引き起こした自分自身も病気を呼ぶ生活も、全て私のことであるわけだから、変えられるのも私だけでしかない。
そういうことだと思いました。
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