アーティストのまま、大人になる。
会社のパソコンのスタート画面が、「オールド」という映画の舞台に見える。
「オールド」とは、時間の流れが異様に早い海辺に取り残されて、1日にどんどん歳をとってしまうスリラー映画である。監督はM・ナイト・シャマラン。
仕事をしていると、老け込んでいく感覚があるので、映画と変わらないのかもしれない。
最近の仕事は、人の名前が正しいかチェックする仕事が多い。
知り合いと同じの名前や名字を見つけると、この人はあの石川さんと親戚かなとか、あの佳奈子さんかな結婚して名字変わったのかなと思いを馳せる。
何百名とチェックする単純作業だけど、想像次第でだいぶ楽しい。
Twitterでデコノートの写真を見た。
学生時代、かわいい女の子たちはこぞってキャンパスノートの表紙をカラーペンでデコっていた。
デコノートに憧れはあったものの当時やらなかったのは何でだろうと考えた時に、ノートに対しての考え方が違ったのかもと思った。
私の中でノートは消耗品だったから、デコっても作品を捨てることになるのでもったいないなと思っていた。
当時から字を書くことが好きだったので、ノートはすぐなくなってしまうものだったのだ。
何にも縛られずデコる彼女らはアーティストだった。
彼女らはアーティストのまま、大人になれただろうか。
仕事が終わって、定期検診のため病院へ。
生活を褒められ、症状で困ってることを話すと、優しい言葉で受け入れられ、対処の方法を教えてくださった。
大人になると優しい言葉なんて、歌でしか受け取れなくなる。歌は大衆向けの、量産された優しい言葉だけど、病院の、もしかしたら別の患者さんにも同じ言葉を言っているとは思うけど、オーダーメイドに見える優しい言葉を処方してくれる。
それが治療の一環であり薬にも、毒にもなる。
毒になるのであれば、皿まで食らわないともったいないなと思った。
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