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人生の節目、目は節穴、研究は節足動物

大学生活の終わりが来た。

4年間は一瞬で過ぎていった。劇的な何かが起こることはなくて、ゆるやかな毎日にちょっとずつ変化がある日々だった。

まず最初にこれを言わないと始まらんだろう。何といっても2020年度入学である。入学と同時に緊急事態宣言、家の外に出ることすら憚られ、知らない土地での初めての一人暮らしを誰とも会わずに過ごした。

授業はフルリモート。そもそもリモートという概念がコロナ渦で始まった感じがある。大学側も対応に戸惑っているのが分かった。同級生、先生は画面の中にいる。リアリティがまるでない。

今考えると異常な世の中だったんだなと思う。誰とも話す機会がないから、広島FMを聴いて人の声を摂取していた。

そんなSF世界のディストピアみたいな生活も徐々にましになっていき、4年生の頃には生活上の制限がほぼ無くなった。

でもこのバッドスタートが尾を引いて、それで結果どうなったかというと友達がいない。

最終的に、休日に遊びに誘ったりどうでもいいことを話せるような関係性を築けたのはサークルの同期たち数人だけだ。この同期たちがいなかったら間違いなく4年間一人で過ごすことになっていただろう。本当にありがたい。

思えば今までの人生で友達がいなかった時なんてなかった。いつも周りには面白い人や優しい人が沢山いた。

でもよく考えてみると、自分の力で友達を得たわけではない、のかも。地元がド田舎ゆえ幼稚園小中とメンバーがほとんど変わらない環境だった。みんな仲良し幼馴染。そりゃあ友達も多いはずだ。

だとすると、自分は本来友達少なめの人間なのかもしれない。発見だ。

大学はこういう環境だったから、一人で何かを楽しむことが増えた。美味しいお店に行くのも服を買いに行くのも、旅行だって一人で全然行く。

これは全然悲しいことではなく、むしろ人生を楽しむためのプラスの出来事だと捉えている。例えば面白そうなことがあれば急に行く行動力がめちゃめちゃ伸びた。おひとり様に抵抗が無くなった。本当に美味しいご飯は味を存分に楽しみたいから一人の方が集中できていい。周りに誰もいなくても、そのことを悲観せずただ事実としてのみ受け止める。開き直る。自分はあえて一人で来たんだというオーラを積極的に出す。これで最強の出来上がり。

でも人と一緒の方が楽しいことだってあるから、どちらもいけます楽しいです!な人間でありたい。修士の二年間はなるべく人と関わることを目標にしようかな。フリーレンのように。後で後悔しても遅いからね。

あと、友達ができなかった理由の一つに、学部の雰囲気と自分の趣味嗜好が完全にズレていたというのがある。研究の興味はみんな一致しているはずなのに、それ以外のこととなると誰ともマッチしなかった。なぜ。

ネットの世界を見ていると趣味が合う人はいくらでもいそうだけど、実際に見つけるのは難しいんだ。

これの解決策は未だにぜんぜん分からない。やっぱりカフェで隣の人に「友達になりませんか?」とナンパするしかないのか。

4月は十二国記の原画展とブルーナ絵本展に行ってみようと思っている。こういうの誰かと行けたら楽しいだろうな。大学院は人とあまり会わない環境だろうから、市井での良い出会いがあるといい。もちろん研究もしっかりと。修士生活への期待を込めて、セルフお祝いの言葉とさせて頂きます。

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