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勝手に捧げるキュンアニメ ~私はこう生きています~

 「君たちはどう生きるか」。今年、宮崎駿監督の10年ぶりの長編アニメ映画、令和に生きる私たちに問う話題作が公開されました。
「君たちはどう生きるか」。答えると、私はアニメを観て、漫画読んでなんとか生きています。なんで?ギリギリでいつも生きていたいから、ですかね。この答えはジブリ的にはどうなのでしょうか。飛ばねぇオタクはただのオタクなんですよね、誰も「生きろそなたは美しい」のは言ってくれないのです。ポニョは人間になれたのに私はまだ悲しい承認欲求モンスターのまま大人になっています。

 季節は巡り、もう冬アニメですが、来年も「僕の心のヤバいやつ」のアニメ期があります。
 週間少年チャンピオンで連載の漫画が原作。
根暗な男の子「市川」と、学校で一番の美人、背が高くて雑誌モデルをやっている「山田」の恋模様を描いたラブコメです。
え?そんな2人が付き合えるようなオタクに好都合なミラクルがあるかって?野暮な質問です。奇跡があるのが漫画やアニメなんですよ…!!
森の中にトトロだっていたでしょう…?ネコバスだっていたでしょう…!願えば叶うのです。

私はもうDNAに刻み込まれたレベルでラブコメが無条件に好きなのですが、流石に甘すぎると胃もたれしますし、今はラブコメ作品も戦国時代、その塩梅はとても難しいと思うのです。
そしてこの作品を女オタク友達に推したところ、「男女の身長差が…」と断られました。うん、宗派が違うなら仕方ないね。
 ラブコメ具合がアラサーに刺さりまくったのでご紹介させてください。宗教が違ったらごめんなさい。
 私がラブコメを好きな理由は、当時体験出来なかった「ときめき」を追体験したいからと分析していますが、非常にいい経験をさせてもらったと太鼓判を押せる作品です。私は多分風俗レポも心を込めてかけると思います。

 主人公市川は「僕は頭がおかしい」と思い込む、中二病を患う中学2年生。教室では誰とも馴れ合う事なく、ただ机に座って図書館で借りた猟奇的な本を読み、日々殺人の妄想を繰り広げています。
 もうこの時点で主人公が無理な方、申し訳ございません。根が明るい方には信じ難いかもしれませんが、ひとりぼっちは尖るしかないのです。尖るしかねぇ。それがぼっち、いわゆる中二病です。そんな市川が教室を観察しているところから始まります。自分だけが孤立したように感じる空気感、心のざわめき。市川のフィルターを通した世界ですが、学生時代の風景そのままでとってもリアルなんです。
 このアニメの良さはラブコメをはじめ「全ての描写の丁寧さ」だと思っています。

 彼は常に友達に囲まれている自分と対照的な同級生・山田から見下されていると思い込みます。ちょっと視線を感じただけで何か自分の事を言われているのじゃないかと不安になる感覚。見えないのに感じるスクールカースト。自意識過剰で被害妄想だとしても、それが教室という空間だった気がします。そのちょっとソワソワする感覚すら思い出させるくらい描写がすごいです。具体的にそうですね、教室の端でジョジョ立ちとかしてた人に刺さると思います。

 ある日、学校で禁止されているお菓子を山田がこっそり食べているところに遭遇します。ボーイミーツガールです。そこで初めて言葉を交わしてから、気が付いたら、山田の行動全てを目で追ってしまうようになるのです。
図書館で交わすちょっとした言葉に嬉しくなったり、悩んだり。その感情の正体に次第に自分自身が気づいていく物語です。
 分かっているけども素直になりきれない少年の心を、釜でぐつぐつと煮込んだ様なラブコメでむず痒い気持ちになれます。
 相手を「好き」と思う瞬間と、その自分の気持ちに気づく瞬間は違うんだなということを気づかせてくれました。この作品はその瞬間を丁寧に汲み取って描いてくれています。「距離」と「気づき」が一歩ずつ描写されていて、市川の視線を通して視聴者も山田を追いかけることになるので、銃口のように「恋愛対象としての山田」を突きつけられるのではなく、クラスメイトの山田を見つめるところから彼女を知っていきます。

 クラスのあの子に声をかけたいけど、勇気がなくてかけられない。モヤモヤとした何とも言えないあの感覚、まだ思い出せますか。
少年少女の一進一退を見守りたいです。

 この時期は寒くなったり暑くなったり忙しいです。実を言うと地球はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。でも本当です。...すぐ私の心の「ちせ」がでてきてすみません。

 暑さには水分補給が大切ですが、キュン補給をしたい方、「僕の心のヤバいやつ」、オススメです。

 もう戻ってこない青春を今日も求めて、
私はアニメに飛び込みます。


山田をラテアートで書いてもらったオタ活日

首ほくろがポイントなんですとお願いしましたカワイイ



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