note創作大賞2022 山羊敗戦記

今更だが書かせてくれ。
前にスペースで語った。だからもういいかなと思ったけど、肝心なところ言ってなかった。呑み書きに乗じてテキストとして残しておこう(マリナさんありがとな)。

note創作大賞。とんでもなく魅力的なコンテストが開かれた。
「あなたの作品が書籍化・映像化されるかも?」
来たぜ!

再三鬱陶しいぐらい言っているが、俺の望みは書籍化だ。
小説でな。
しかし、noteから小説が書籍化されたのは非常に少ない。現時点でnoteから書籍化されたのは約160本。その中で小説は5本ほど。その5本は乙武洋匡さんとかバイク川崎バイクさんとか、すでに世間に名が通っている人のものだ。ぶんぶん。ヒィ〜ア。
唯一上田聡子さんが「金沢洋食屋ななかまど物語」をPHP文芸文庫から出している。その1本だけ。つまり160本で1本。
最近理解したのだが、noteというプラットフォームは小説を書くのに少ししんどい環境なのかもしれない。エッセイが圧倒的に多いからな(ただ、その環境。今後大きく変わるんじゃないかと俺は思う。何となくだけどな)。
「小説家になろう」や「エブリスタ」は、俺とどうもジャンルが違う。「世界最強の魔女、始めました」とはちょっと相容れないかもしれないし、向こうもそう思っているだろう。
ちなみに「小説家になろう」にアカウントを作って幾つか既存のものを出してみた。凄い嬉しいレビューも付いたので、ここで自慢する。

これほど楽しませてもらった小説は何十年ぶりだ。
小説は終わり方が難しいがそれも完璧。
とても上手い!感心する!
お年は少し上な方なのでしょうが、若さのある文章。
TVドラマ化したら絶対再放送してくれと電話が放送局に山ほど掛かること間違いなし。
NHKよ、ドラマ化したらどう。朝の連続ドラマより視聴率かせげるよ!
最後に、山羊アンテナ木村さんということは当然「八木アンテナ」からもじっていらっしゃるのでアマチュア無線がご趣味かな?

創作大賞の話だった。こいつぁ恐ろしく魅力的。
他の文学賞公募と比較する。

・小説現代長編新人賞
講談社
選考委員5名
朝井まかて氏/中島京子氏/凪良ゆう氏/宮内悠介氏/薬丸岳氏
(あれ?伊集院静氏は辞めたのか)
(youtubeでブチ切れているの見つけた...。)
・note創作大賞
KADOKAWA        選考委員 4名
幻冬舎         選考委員 3名
ダイヤモンド社  選考委員 4名
テレビ東京         選考委員 3名
note社           選考委員 4名

おいおい。凄いぞnote。5社一度に選考、おまけに選考委員は18名!!!!
一般的な出版社主催の公募文学賞は1社、そして5名程度の選考委員。つまり間口がとんでもなく広いと俺には見えた。
興奮したね。コンテストコピーに「書籍化・映像化されるかも?」「?」とかついているけどそんなの関係ない。
入選したら出版社とのルートができる。今回書籍化出来なくてもルートが出来る。5社18名。ここに引っ掛かればルートが出来る。

そうなんだ。俺には今、ルートが見えないんだ。
小説デビューは公募がほとんど。編集部に持ち込みはどうなんだと思うかもしれない。マンガならあり得る。編集者がすぐに読める、すぐにジャッジ出来る。
小説は一般的に10万字で6時間とか読むのにかかるらしい。編集者もそりゃめんどくさいよね。出版社のサイトにも持ち込みお断りと書いてある。
(持ち込みでしんどいのが、退職して暇を持て余した男性がサラリーマン人生をルサンチマン全開で振り返るお話だそうだ。うわぁ)
実際に2社ほどコンタクトを試みたが、なしのつぶてである。しょうがない。当たり前である。俺だったら当然無視する。

出版社とのルートが欲しい。その状況でこのnote創作大賞は光り輝く北極星であった。ポーラスタア。航海士の道を指し示すように瞬きを繰り返す。
(無駄にかっこいい事言ってしまった)

少し前に「新宿の雪」という小説を書いていた。3,000字。「文活」というnote上の同人誌にて書いたものだ。これをリライトする事にしよう。世界観は固まっているし、ラストは今まで書いたものの中でも悪くない。スキ!190程頂いた。小説で190って結構すごいと思うんだけど。まあいい。もう一度掘り下げる。

小説を書く様になって気が付いた。エッセイと頭を使うところがまるで違う。もちろん俺の場合な。エッセイは書きながらモニタの文字が書き終えるまでしっかりと見える。小説の場合、新しい展開を考える時、目の焦点が何にも合わない時間がある。というか、意図していないものに焦点が合い、その間頭の中で何かを組み立てている感じがする。
(なんかかっこいい)
今回の新宿の雪はそんな状況が多々あり。だからっていい小説とは限らない。でも自信はあったよね(毎回あるけど)。
暴力のシーン、風俗店でのシーン。そんな状況たくさんあった。動物園の部分はキタって感じ。

noteにリリースした直後のTwitter。嬉しかったなぁ。リライトする前の物も褒めて頂いたけど、今回も物凄い勢いで褒めてくれた。そして何人もの方から「賞取ったでしょ」的な事を言って頂いた。嬉しいし、ありがたいよね。だって5万字だぜ?web上で5万字読んでくれるんだぜ?それだけで賞を取ったようなもんだ。
いやいや、そうじゃない。今回の俺のミッションは媒体とルートを作る事なんだ。

2か月ぐらいして「中間選考結果」が出た。聞いてないな~、そんな足切り発表あるのか。すげービビりながらスクロール。マウスを持つ手が震える。のどからから。口の中の水分サハラ砂漠。
知ってる名前が幾つか出て来る。焦るやらほっとするやら。
あったよ、俺の名前。
その次の瞬間。
「当たり前じゃねーか!」
豹変だよ豹変。俺、豹変。取りに行ってるんだから当たり前だろ。5社18人だぜ?中間なんて当たり前だ。
(あら、傲慢)(誰にも迷惑かけてないから許せ)
そしてこの5社18人と言う数字が今でも俺を苦しめる。

4月末の結果には俺の名前はなかった。noteのコンテストはあらかじめ入賞者に連絡が行くので、4月末の時点で来てないという事は駄目だったと半ば諦めていた。
(ただ、過去、アシックス×note「応援したいスポーツ」コンテストは確か3日前位の通知だった気がする)
(今調べたら7/28連絡→7/31発表だった)

小説だけに絞って入選作品を読む。先に読んで「スキ!」をつけていたフォローしていないアカウントの小説が2編あった。その2編が入選している。俺選考委員かよ。目利きだけはいい。
後は良くわからない。1篇なんかプロっぽい長編作品があったけど、聞いた事ない名前。読ませる。これが入賞レベルなのかもしれない。興味ないけど。

打ちのめされたのは5社18人にかすりもしなかったという事だ。つまり5回の公募で入れなかったと同じ事の様に俺には思えた。というか今でも思っている。これは苦しい。
一人反省会をしようと思うが、出来ない。「新宿の雪」のどの部分が入賞レベルでなかったのがわからないのだ。しょうがないので書き続けていた長編を書くのだがいまいち上手く行かない。わかんないから。
Twitterでスペースを開いてみる。「山羊note創作大賞敗戦記」。

そこでこげちゃ丸さんが仰る。「即時性」(だったと思います。間違っていれば訂正します)。
すげぇ分析だ。こげ茶丸さん、伊達におにぎりじゃない。この分析力。
なるほど。「新宿の雪」には即時的なものがなかったか。確かに。作品としてはoldタイプだ。note社の講評の中にこんな文言を見つけた。

「これは新しい!」と思えるものを選出したいと考えていた

確かに俺の「新宿の雪」は何から何まで新しくない。ニュータイプではない。ガンダムには乗れない(コアブースターには乗れるかもしれない、出撃前にハンバーガー食べたい)。
しかし、俺に即時的なものが書けるだろうか。わからん。時事的なもの、書けるだろうか。今ならコロナ禍か?わからん。流行に疎いからな。

※そしてこれは書こうかどうかもの凄い逡巡した。でも今回は敗戦記だし吞み書きだし。この部分だけ後で消せばいい。  

山羊が深夜に椅子を蹴り上げる事になった。
俺はルートが欲しかった。しかしルートを簡単に手に入れられる、というか既に持っている方が入賞している。コミックを既に200万部売り上げている。そのコミック編集部と同じビルにはおそらく文芸の編集部もあるはずだ。そんな方がここに出てくるのか...。

別にその方がいなかったら俺が入賞したなんてさらさら思わない。しかし俺はルートが欲しかった。死ぬほど欲しい。多分だが、今回の創作大賞に応募した方で出版社にルートを持っている方は他にいないだろう。

この件で主催者に何かしら思う事はない。作者の名前が違い、賞金を振り込む際に判明したらしい。それ、自分で言っとる。どこまでなんだ。
クソみたいなどうでもいいことを書いてしまった。僻み根性と馬鹿にしていい。



今は公募に向けて複数の小説を書いている。「年間一編ぐらいに集中して書くのはいかがか」と言われたが、残された時間が短すぎる。
考えて欲しい。出版社もボランティアではない。小説を刷るのであればそれをヒットさせ損益分岐点をしっかりと確保したい。
ヒットする要因は決しておもしろい小説だけではない。話題性だ。
「中年男性の新たな才能が放つ鮮烈な青春小説」
「18歳女子高生の新たな才能が放つ鮮烈な青春小説」
「円熟した文体で、読んだものを優しく包む。中年男性が世に問う家族の絆」
「円熟した文体で、読んだものを優しく包む。20代青年が世に問う家族の絆」
「あなたをめくるめく官能の世界に連れていく。中年男性が差し出す、新たなカタチ」
「あなたをめくるめく官能の世界に連れていく。30代の女性がが差し出す、新たなカタチ」

どうだ。中年男性って入れただけで気持ち悪いだろ。カルチュアの枠組み、その中での新人として中年男性など世に必要ないのだ。
(女性はありだぜ。家族や社会のしがらみから抜け出す、そんな文脈があるよね)
おっさんはいらない。だからnote出身!note創作大賞受賞作!という肩書が欲しかった。話題性あるだろ。俺note大好きだからな。

今狙いを定めている文学賞。
(この世に二百握の砂ほど文学賞があるが、書籍化したいのであれば地方の新聞社主催の様なものはスルーしたほうがいいらしい。雀の涙ほどの賞金もらって終わりだ。ちなみに俺の住む地域の文学賞は凄い。出版権だけじゃなく著作権まで取られるぜ)

7月   長編
8月   長編
10月 中編
12月 短編
3月   長編

10月までのものは既に書き始めている。これで駄目ならもう一度出版社の門を叩く。3月までやって駄目なら辞める。諦める。
小説を書く事で犠牲にしているものが多すぎる。今、平均で一日15分で書いている。平均15分。まるで時間がない時もあるって事。そんな時はpc立ち上げて書き上げたものを読むだけでもする。もう趣味の範疇を大幅に越しているな。書く時間がない時、書く事が出来ない時の感情の起伏がしんどい。

何にも引っかからず、諦めた時の事を想像してしまう。
文章。
文章を書いて賞に出す、引っかからない。その時にフィードバックがないのだ。書いたことが確実に血肉になるとは限らないのだ。
他のあらゆる事はそれがある。スポーツで大会で負け、駄目でもそのための練習は血肉となる。音楽も。上達ってことだ。
でも文章はそうではない。ただ、落ちるだけだ。

しょうがないのでpillows「funny buny」「my foot」佐野元春「new age」をたくさん聞いている。

酒飲んじゃうと小説書けないので、麦茶飲んでる。



・すまねぇ。遅れちまった。
・もうひとつ申し訳ない。
「書きあがったnoteは見直さず寝かさず、即公開すること」
出すの、迷いに迷ってしまった。19時間寝かせた。すまん。

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