がらくた少女カバー横長

先に書くべきだったあとがき

順序が逆になりますが、最後に、この連載を始めた理由を書きます。

『がらくた少女と人喰い煙突』は、2017年9月6日に河出文庫として発売されました。強迫性貯蔵症の少女と、盗視症の心理カウンセラーという《普通でない》コンビが首なし死体の謎を解く、孤島を舞台とした本格ミステリーです。作者として保証しますが、面白いです。読んで損はさせません。

読書メーターでも、好意的なレビューをいくつもいただいています。

https://bookmeter.com/books/12229255

しかし、『がらくた少女と人喰い煙突』という作品は、あまり知られておらず、売れていないようです。作者が無名なので、仕方がないと言えば、仕方がないのですが。

ところで、自分は現在、うつがかなり重い状態にあります。その原因は子育ての悩みや、人間関係の悩みなど色々ですが、その中に、《ある光景》があります。

自分は先月、東京に行く機会があり、いくつかの大きな書店さんを回りました。『がらくた少女と人喰い煙突』が発売された時、自分は書店さん宛ての販促用ミニ色紙を30枚ほど手書きしたのです。絵に自信はありませんが、一枚一枚、色鉛筆で夕日に立つ煙突のイラストを描きました。その日、自分が回った書店さんは、すべて色紙を書いた書店さんでしたが、色紙が飾られているお店は一店もありませんでした。『がらくた少女と人喰い煙突』は、置いてあるお店でも一冊だけ棚差しの状態で、置いていないお店もありました。とてもつらい光景でした。

無名の作家から手書きの色紙が届くのは、書店さんにとって迷惑なことだったのだと、非常識なことをしたのだと知り、落ち込みました。担当さんに色紙を書かせて欲しいと、自分から頼んで書いたのですが、送る手間を掛けさせただけで、申し訳ないことをしました。

前にも書きましたが、自分は落ち込んだ時、何か前向きな行動をするようにしています。今回、この連載をしたのは、そのためです。

以前、『あいの結婚相談所』の単行本が発売になった時に、ドラマ化が白紙になった経緯をTwitterで4コマ漫画として連載して、多少話題にしていただきました。そこまで話題を集めることはないでしょうが、『がらくた少女と人喰い煙突』が出版された経緯を書くことで、少しでも作品に興味を持っていただき、読んでもらえたらという思いで、この《ノンフィクション小説》を連載させていただきました。

プロットも作らずに一気に書いたので、読みにくい箇所があったり構成が下手だったりと、足りない部分が多々あったでしょうが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



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