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売ってもらうことを諦める

人気作家の作品でもなく、また話題の作品でもない本は、書店さんで売ってもらえない。

先月発売になった『バカレイドッグス』単行本第1巻は、自分の作品では初めて、試し読み冊子を作ってもらえた。しかし、行ける範囲の大きな書店さんを十店舗ほど回ってみた結果、試し読み冊子を置いてくれていた書店さんは、一店舗もなかった。

そうして書店さんを回って、思い知ったことがある。

書店さんが売りたい作品は、入口の前、棚の横の平台やレジ前など、目立つところに積み上げてある。それらは映像化された作品や「このマンガがすごい!」などのランキングに入っている人気作ばかりだ。

自分の作品は映像化もされていないし、ランキングにも入っていないので、当然そういった扱いはされない。試し読み冊子もなく、ただ棚差しされている本を、選んで買ってくれる人は少ないだろう。

前作の『あいの結婚相談所』の単行本が出た時、自分は作画の加藤山羊と協力して、書店さん名の入った手描きのミニ色紙を50枚以上作った。それらを全国の書店さんに手紙をつけて送るとともに、都内と横浜の行ける範囲の書店さんには直接、ミニ色紙と名刺を持って挨拶に行き、一人で営業のようなこともした。しかし『あいの結婚相談所』は、単行本が売れなかったことを理由に、連載を打ち切られた。

もっとたくさんの色紙を書いて、もっとたくさんの書店さんを回れば良かったのかもしれない。だがお互い3人の子供を持ち、仕事の他に家事と育児をしなければいけない、そして実家が遠方で夫の仕事が忙しいため、子供を預けることができない漫画家と原作者では、営業をするのにも限界がある。それに、営業をしたからといって、渡した色紙を置いてもらえるわけではないという現実も知っている。

これまでの経験を踏まえて、自分は、書店さんで自分の本を売ってもらうことは、もう諦めることにした。

作家として、とても悲しい決断だが、売ってもらえないものは仕方がない。だから別の方法で、自分で売るしかない。

別の方法として考えられるのが、オンライン書店と電子書籍だ。ここで作品を売るためには、《インターネット上で》、「この作品を読みたい」と思ってもらう必要がある。

自分は公式サイトを持ち、ブログを書き、TwitterやFacebookも利用しているが、それらを《作品を売るための手段》として、きちんと活用できていなかった。その点を反省し、改めていきたい。

そこで、まず最初にできることとして、Twitterのフォロワーさんを増やす努力をしてみた。

http://www.saorichako.com/entry/2017/12/24

こちらのしのださんのブログ記事を参考に、プロフィールを手直しして、あまり無駄なことをつぶやかないよう心掛けている。その甲斐あってか、先月まで800人程度だったフォロワーさんが、最近になって1000人を超えた。

ここから、何をどうしていったらいいのか、まだ考えついてはいないのだが、ひとまずTwitterではフォロワーさんのことを意識して、「読んで楽しめる」、「読む価値のある」ツイートを多くしていけたらと考えている。

そして、作家としてもっとも肝心な努力として、《売るもの》がなくなる事態に陥らないよう、きちんと面白い作品を書いて、形にする努力を続けていきたい。

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