がらくた少女カバー横長

書き上げて、待って、結論が出ました

打ち合わせで、小説の編集さんは「『Sのための覚え書き…』を読ませてもらって、これだけ力のある作家さんなら、一緒に本を作りたいと思いました」と、とても嬉しいことに、自分の担当になるのを了承してくれた。そして、まずは今書いている『がらくた少女と人喰い煙突』を完成させて読ませて欲しい、と言われた。

子供達が夏休みに入り、時間を取るのはかなり難しかったが、「これが終わったらディズニーシーに連れて行ってあげる」と約束して子供達を大人しくさせ、スピードを上げて執筆した。実家に帰省した時もパソコンを持って行って書き続け、8/16に574枚で脱稿。子供達3人を約束通りディズニーシーに(夫は仕事なので自分一人で)連れて行ってから推敲を始め、8/23に第一稿が完成した。担当さんにメールに添付して送ると、一か月くらいで読んで返事をくれるとのことだった。

9月、自分は「『幽』怪談文学賞に応募した作品が受賞したら短編集として出版されるはずだからシリーズものの続編を書こう」と、あっさり受賞を逃すことも知らずに続編を書きながら、担当さんの返事を待っていた。

10月半ば、続編の短編小説は二本目に入っていた。担当さんから返事が来ないので待ち切れずに問い合わせると、仕事が立て込んでいてまだ読めていないそうで、11月の連休で読んで返事をくれるとのことだった。その間に自分は婦人科系のトラブルで入院、手術をし、父方の祖母を亡くし、二本目の短編小説を完成させた。11月の連休が明けて間もなく、担当さんからは「忙しくてまだ読めていないので、もう2週間ください」と連絡があった。とても気持ちが沈んでいたが、とにかく担当さんはたくさんの売れっ子作家さんを抱えている忙しい人なので、待つしかなかった。

担当さんからは、きっちり2週間後に返事がきた。メールには「作品を読んだが、このままではうちでは出版できない。今後どう付き合っていくか話し合いたい」という内容が書かれていた。

「長編の本格ミステリーは売れない」、「この内容で、《ハンセン病》をモデルとした疾患の登場する小説は、うちでは出版できない」という二つの理由で、『がらくた少女と人喰い煙突』はボツとなった。暗い気持ちで向かった二回目の打ち合わせで、それを告げられたのは、12月の初めのことだった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?