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音楽感想文: Mystic AM - Cardamom & Laudanum (2022.7)


イランの古いレコードの膨大なコレクションを素材とした圧倒的サウンドスケープ。サイケ調のジャケだし、のっけからオリエンタリズム伺はせる感じなのでサイケ系チルアウトか?と思ったが口上を読むと違ふ、なんとDeepChordなどで知られるダブテクノの大物Rod Modellがレーベル創設者のArio Farahaniと組んだデュオのデビュー盤らしい。

イランの古いレコードの膨大なコレクションを素材にしたこの作品は、シルクロードの砂漠で旅人が思はず遭遇した形而上体験の物語のサウンドトラックとして企画されたとのこと。たしかにジャケは地球外生命体っぽいものに出会っちゃった感じがすごいある笑 Arioが素材の収集と大まかな構築を行い、それをRodが引き継いで加工と処理を加へたとあるが、異国感溢れた素材は魅力的で、それが出過ぎて露骨にならないのも抑制が効いてたいへん好ましく感じる。何よりRodの音響処理がディープすぎてヤバいっす…ヤバい。これはずいぶんと妖しすぎるワールドミュージックだし、没入度の高い1時間強のサウンドトリップになることは請け合ひです。

1曲目とか7曲目とか時をり低く歌はれる声がスクリューしてるのは今時かなあと思った。ちょっとバッドトリップの不安がありさうな笛?管楽器が彷徨するやうに鳴り続ける5.Entering the Sublimeはとりわけ出来が良い。深く沈みすぎて重すぎだろって思ふ7曲目(そこそこのスピーカーがないと味はへないしイヤホンでは当然無理だらう)やら、音響が混濁してカオティックになる4曲目やらいいとこ目白押し。Shpongleの1stを今風に洗練させるとこんな感じになるのかなあと連想したり。

なんだらう思ひがけず二周しちゃったよ!これ本当にすごいな。大推薦。

(この文勢ひで書いたので書き直す可能性あり)

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