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巧妙な詐欺(1分で読める小説)

人間誰しも、簡単に信じてはいけない。
たとえそれが、
愛情持って育ててくれた両親であっても。

彼がある日、両親から家の購入の相談を受けた。
母親が云うには「2000万の建て売り住宅を購入したい」と云うのである。
だが、「両親とも高齢で住宅ローンが組めない。お前の名義でローンを組みたい。返済は私達が責任を持つから、
名義だけ貸してくれ」
と、頼まれた。

彼は熟考し反対したのだが、両親は執拗に食い下がり
強引に彼を納得させた。
と云うよりも、「両親が必ず返済する」と
云う言葉を信じたのだ。30年のローンだった。

何故、この時点で疑う事をしなかったのか、
今となって想うが、それ以上に彼は両親の言葉を信じていた。


家の名義は彼の物で、ローンも彼の物となったが、
新築の家に住んだのは両親だった。

そして10年後ローンを支払う現金も残す事も無く、
両親は逝ってしまった。


両親は、最初から彼を騙すつもりだったのか⁉️

彼は、他の地で働いている。
今も空き家で、ローンだけを支払っている。
住宅ローンでは貸し家にする事が出来ない!

他人がこの様な事を言ってきたら、
絶対に信じ無いし名義など貸す事は無い!

親だからこそ彼は信じた。

詐欺師とは、こう云う者か?

両親を信じた、彼が馬鹿だったのか?
そして、親の遺産分割の時にその事を利用する者が居た。
嘘までついて、彼を誹謗中傷した輩が後に出てくる。

醜い人間とはその様な者である。
正義ぶり、真実を隠す輩。
そんな人に会わない様に、みなさん気を付けてください。








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