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あほやん 宝くじを拾う(最終回)➕追伸



「今日は大晦日」と言っても、僕には普段と変わる事は何もない。

8畳一間のボロアパートに住み、
トイレと風呂が、かろうじて有り、
炊事場みたいな物が付いている。
昭和時代の遺物の部屋。

こんな部屋に住み着いてもう五年。
窓はアルミサッシュではなく、木の枠の窓。
隙間風が平気で入ってくる。

家賃だけは安いのが取り柄の部屋。
でもいつかは此処を出ていこう。
名のある企業に就職して正社員になろう。
「来年こそは!」といつも決意をしているのだが、
もう三年過ぎてしまった。
何度も決意はしているのに
何も変わらない、変えられない僕の境遇。

こんな社会に誰がしたのか?
僕は希望も無く生きて行くのか?

虚しい思いで大晦日を過ごしていた。
誰からも電話も無く、友達もいない。
勿論恋人も居ない。

…希望はこの宝くじが当たってくれる事だけだ。
夢の中では当たっていた。
もしかすると、正夢となって当たるかも知れない。…
と、あてもない希望を胸に秘めていた。
何もせず、ぼ〜と過ごしても時は過ぎていく。

そして、元旦。
一年の始めの日。
おめでたい日。
僕は、改めて元旦の新聞を取りに行く。
祈る様な気持ちで当選番号を確認。

そして……………

当たっていなかった。
かすりもしない。
組み番号から違っていた。
僕は、当然とは想いつつも全身から力が抜けるのを感じた。

拾った宝くじに夢を掛ける僕。
何もしないで、「濡れ手に粟」を望む僕。
夢を実現するのは、僕自身だ!
でも、僕の夢って何?
夢を持たない僕って一体何!

大きな夢も無く平凡な暮らしで満足していては
現状を変える事は出来ない。
でも、そんな事は解っているけど。
反省はいつもの事。
何も変えられない僕。

今年は先ずは働き口を探そう。
探さないと生活が困窮する。
今年も、いつもの年と同じになると、
嫌な予感がしていた。

僕は僕に向かってもう一度云う、
「自分を変えるのは自分しかいない。
諦めてはいけない!」と。

      完
追伸
毎年、年末ジャンボの宝くじが売り出されます
段々と一等の賞金が上がっていく。
これほどの大きなお金を手にした時、
人の人生が変わる事は用意に想像が出きます。
もし私が今5億円を手にしたならば、
働くのを辞めるだろう。

そして優雅に暮らすであろう。
しかし、これは本当の幸せだろうか?
自分に相応しくない大金を得ても、
将来はどの様になるかわからない。

一つ提案があります。
一等賞金をもっと少なくして多くの人に当たる様な
宝くじがあれば良いと思います。
一等の確率を0.1%ぐらいにして
1000人に一人当たる宝くじがあれば嬉しい。
一人一枚しか購入出来ない事を条件にし、
1000人に一人当たる様にする。
一等賞金はどれくらいか?解らないけど、人生を狂わさない程度の金額。
仮に一枚の購入金を五千円とすると、
1000枚で500万円。

一等賞金、400万円。
僅かだけど、庶民(私)なら嬉し金額です。
これぐらいなら人生を狂わす事もないですね。
でも、夢は無いかな😴


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