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殺人ロボット(13)

13

「愛子さん、僕は貴女の事が好きでした。
会社で初めて会った時から好きでした。
でも、気が弱くて貴女とお話しする事も出来ませんでした。
今も貴女の幸せを心から祈っていますよ。本当に祈ってます。」
私は愛子に本心を隠す事なく伝えた。
何の躊躇いも無く。

「・・・。ありがとうございます。・・。
本当に嬉しいです。・・・。」
と、聞こえてくるのは、涙が混じった声だ。

「・・・石田さんが、・・突然居なくなって、本当に心配していました。
・・お会いできませんか?
お会いしたいです。私の今の悩みを聞いてください。お願いします。」

…愛子さんの悩み⁉️愛子さんを苦しめているのは何!……
好奇心に火が着いた。

「愛子さん、私はまた外国に行かないといけません。
代わりに加山を行かせます。
その人に相談してください。必ず愛子さんの力になってくれます。
加山を信じて何でも話してください。加山を私だと想って!」
と、少し複雑な想いであったが、私の今の心情を愛子に伝えた。

それから、いろんな話をした。
久しぶりに石田太郎に戻って好きな愛子さんとの会話は、
僕を夢心地にさせた。

感情の無い殺人ロボットでは無く、
人間石田太郎に戻っての時間こそ、
私の真の幸福だ!と
気づく瞬間でもあったのだが・・・。

愛子さんと加山が出会う日は次の日曜日の
午後二時と決まった。
場所は、会社の近くの
「紅茶の美味しい喫茶店」だ。

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