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(新々)三つ子の魂百までも 19


次の朝、僕が事務所に向かう途中携帯の音が鳴る
見ると林田さんからの電話であった。

「もしもし、林田です。どちらにいらっしゃるのですか?
まだ事務所では無いのですか?飯島さん居ますか?」
と、何だか、あわただし。
「今 通勤途中で、歩いています。もう直ぐ着きますが、
何のご用でしょうか?」

「今日、そちらの事務所に伺いたいのですが、
いつならいいですか?」

「じゃあ、事務所に着いたら、仕事の確認をとりますから、こちらから連絡しますね。」
と、電話を切ったが、林田さんのあわて様は普通では無い。
何かあったみたいだ。

僕は探偵社事務所まで駆け足で行き、五階までの階段を急いで上がった。

時刻は午前8時10分、仕事が始まる時刻は8時30分だが、もう来ているメンバーがいる。

探偵事務所で働く人は僕を入れて六人。
代表は飯島直美さんで、裕美さんの姉だ。女優の壇蜜に似ているが
本人にその事を言うと、「私の方が綺麗よ」
と、自信をもって言う。

頼りになるのが、元刑事の伊東吾郎さん。
風貌は伊東四郎に似ているが、刑事コロンボの真似をしたがる。

他に男女一人づついるが、紹介は省略します。

簡単の打ち合わせを済ませた後、外に出る者と
事務所にいる者に別れた。
僕は事務所にいる方だ。
裕美さんも一緒に事務所にいる。

僕は、直ぐに林田さんに連絡を取る。

林田さんは、裕美さんに用事があるみたいで、
僕は電話を裕美さんに渡した。

裕美さんは、林田さんと慎重に話している。
その様子を観察すると、何か重大な事があるみたいだ。

裕美さんを横目で見ながら、
僕はコーヒーを淹れに、炊事場に行く。
インスタントコーヒーであるが、目覚めのコーヒーは、頭を覚醒させる。
もちろん、裕美様の分も作り持って行く。

「ありがとう、公ちゃん。」
と、裕美さんの微笑みが僕の心を揺さぶる。
今まで感じなかった感覚に僕は、照れを感じてしまう。

「何を話したのですか?林田さんと。何か解ったのですか?」

僕は、昨日貰った資料を裕美さんに差し出しながら尋ねた。

「・・・。もう直ぐに林田さんが来るわ。写真を持って・・・」

裕美さんは資料に目を落としながら応えてくれた。

「殺人犯人の名前が、奥田民生って言うのね。
当時32歳で一人者ね。・・・・。
可哀想に亡くなった子供は4歳なの!・・・
殺された両親もまだ若いわね・・・」

と、弱々しい声で裕美さんは、独り言を言っている。

「許せないわ、この男」
と、今度は憎しみの籠った声だ。

資料を読み終えた後、裕美さんは僕を見た。

目に光るものが見えている。
涙か?!

……何故泣く裕美さ〜ん。……











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