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猫になった宇宙人(1)

猫になった宇宙人(1)

私の名前は、ゴア
(このフレーズに聞き覚えがある人は結構なお年頃です。)

M52星から地球人を観察にやってきた。
最近のコーヒーのCMに同じ様な事を放送しているが、
私の事をバラしてもらっては困ると苦情を言いたい。

そんな事はさて置き。
私は猫の姿になって地球人の家庭に入り込み
地球人を観察すると言う事を考えた。

勿論、私は猫以外に色んな物に変身できるのだが、
あえて猫なのだ。
理由は、猫ならば家で飼われる可能性が高い。
犬の場合、外で飼われてしまうかも知れない。

家庭に入り込み地球人をあらゆる角度で観察しリポートする。

我々M52星人は言葉は存在しない。時々奇声を発する時はあるが。
普通の通信は全てテレパシー、頭脳で考えた事は全て伝わる。
故に、悪い事を考えたり、嘘をつこうと思っても、
全てお見通しされてしまう。
考えずに考える。
要するに意識せずに意識する以外は、隠し事は出来ないのだ。
これは、地球人には無理であろう。
我々には簡単な事だが。
しかし、意識として存在した瞬間に伝わる。

悪い考えは出来ない。人を騙し、人を殺そうと考えただけで、
警戒されてしまう。
おかげで、我々M52惑星は戦争も無く、みんな隠し事も無く、
平和に暮らしているのだ。
隠し事も出来ないので不便でもある。
個人情報はダダ漏れ。

私が此の地球人を観察するのは、大学の卒論を書く為だ。
そう私は大学生。年齢は地球人年齢で18歳
我々は地球人より時間が遅く進む。
時間が遅く進むと、のんびりと生活出来る。
分かりやすく言うと、1日48時間だとすると、
時間の流れが遅いので、慌てる事もない。
私が猫を選んだ訳も、猫ならのんびりと出来るであろうと言う理由もある。

M52星から地球迄の距離は3光年。
割と近い。どの様に来たのかは、軍の機密だ。
戦争も無いのに軍があるのか?と思った君は鋭い。
軍隊はあるのだ。宇宙戦争に備えての軍隊である。
我々の星では警察は一部の存在しか無いが、軍隊は保持している。
と言ってもまだ、ほかの星から戦争を仕掛けられた事は無い。

最近、何処かの星が我が星の近くにミサイルを発射している
との情報がある。
迷惑な話しだ。
そんな事はさて置き、何処の家庭に入り込もうかな?

その続きはまた今度。

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