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(新々)三つ子の魂百までも 25


僕は遅刻しては申し訳ないので、眠らずに起きていた。
人よりも早く、事務所に向かう。
夜中のし〜んと静まりかえるビルは不気味である。
階段の蛍光灯は灯ってはいるが、薄暗く
いつもなら、駆け足で急いで上がる階段を一段一段慎重に登っていく。
僕は、早く来てしまった事を少し後悔した。
時刻は午前1:07を表示している。

恐怖心が襲ってくる中、
やっとの想いで事務所に着いた。

事務所には、電気が点いている。

……誰かいるのか?まさか泥棒か? でも盗む物など何もない。
あってもカップ麺ぐらいだ……
ドアの鍵を開け様とするが、鍵が掛かって無い。
静かにドアを開ける僕。
……泥棒なら、捕まえてやる。……
と、人間なら怖くは無い。

足音を忍ばせながら、事務所の中に入っていくと、

裕美さんがソファーで横になり眠っている。

もしかすると、瞑想しているのかも知れない。
…儀式は始まったのか?……

足音を立てずに、僕は裕美さんに近づいた。

「公ちゃんでしょ。早いわね。ちゃんと寝てたの?」
と、裕美さんは目を閉じているのに、僕が解ったみたいだ。

「裕美さんは、寝たのですか?こんなに早く来るなんて、
びっくりですよ。今日、修も来ますが良いですか。」

「ダメって言っても、もう遅いでしょ。観てるだけならいいよ。
そうだ、修君に例のカメラで霊をとってもらおう。
修君ならきっと撮れるよ、心が綺麗だし、正直者だし。
公ちゃんと違ってね。」
と、裕美さんは起き上がり姿勢を正して僕に、微笑みを投げかける。

「僕は心が綺麗では無いのですか?」
と、不満顔で口を尖らせる、僕。

「公ちゃんも綺麗だよ。だから私、公ちゃんが好きなの❤️」

と、どさくさに紛れての裕美さんの告白?
突然の告白に、僕の心臓の鼓動が高まる。

「僕も・・・・・・。裕美さんが・・・・好きです」
と、やっと言葉にして言えた。

見つめ合う二人。今からは恋人の関係。
僕は裕美さんを抱きしめたかった。

裕美さんは、ソファーに座り、下から目線で僕を見つめる。

僕はゆっくりと、裕美さんの座るソファーに・・・。
そして、僕は跪く・・・・

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