![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135893557/rectangle_large_type_2_f41c7c7aab69d1504dc8ccef09f34295.png?width=800)
Photo by
soeji
錦鯉を釣る雲(雲の糸)
人間の横暴は、神を怒らせる。
「このままでは、地球は破滅する!
人間を海に住まわせ、魚達を陸に上がらせる。」
神は大英断を下す。
魚達は陸で暮らす事になる。
自由自在に空を泳ぐ魚達。
神達のレジャーは魚釣りだ。
空飛ぶ魚を釣り上げる。
特に人気の高いのは、錦鯉!
希少な錦鯉は、高額になる。
今日も雲の上に乗り神達は釣り糸を垂らしていた。
神達は呑気にお話しをしながら、お目当ての錦鯉を狙う
だが、錦鯉はお利口さん。
神の心など手に取る様に解っていた。
「最近、錦鯉釣れないね」
と、ある神がぼやく。
「餌が悪いのかな」
と、またぼやく。
すると、雲が言う。
「私が捕まえてみましょうか?」
「お前そんなことできるのか?」
と、不思議に聞く神。
「私は、雲の糸を持っています。
いっぺんに捕まえられます」
と言い、雲は大漁の錦鯉を捕まえる。
神は故郷に錦を飾る思いで帰宅する。
だが大漁の錦鯉は、希少価値が無くなり
錦鯉の値打ちは大幅に下落する。
[過ぎたるは及ばざるが如し]
410字
#毎週ショートショートnote
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?