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(新々)三つ子の魂百までも 23



「あの怨霊は何ですか?」
と、僕はその先の言葉が気になった。

「まだ、はっきりとは判らないから、言えないわ」
と、微笑を浮かべる裕美さん。

「教えてくださいよ〜。勿体ぶらないで、教えてよ〜」
と、子供がねだる様に僕は不満を持って言った。

「仕方の無い子ね。・・・」
と、微笑みながら子供に言う様に言う。

「もしかすると、あの怨霊は人を殺す能力は無いかも知れない。
と、ふと今思ったの。でもこれは、私の勝手な想いかも知れない。
いい加減な考えだから、気にしないで」

「・・・・。そうなの。・・・」
と、僕の思考は混乱した。
……でも、橋田君の友達とお父さんは死んでいるよ……

「もう一度聞きますが、どの様に呼び出すのですか?」
と、林田は食い付く様に聞いてきた。

「ただ、こちらから声を掛けて呼ぶのです。
電話する様に、念じて呼び出すのです。
でも、呼び出したら憑依されるかも知れない。
これが怖いところです。」

「憑依される・・・・。」
と、僕は驚き直ぐに次の言葉が出なかったが

「・・・・。裕美さん、そんな事するのは辞めてください。危険です。辞めてください、お願いだから」
と、僕は真剣な気持ちだ。
……それほどまでして林田の記事の協力など
しないでください。……
その言葉を内に秘めていた。

「でも、・・・あいつは許せ無いの・・」
と、裕美さんは小さい声で云う

「あいつって、怨霊の事ですか?
犯人の事?もう死んだ人を許せ無いって
どう言う事ですか?」

と、僕は不思議な想いは疑問になった

「私にも判らないわ!だけど許せ無いの」

「もう、この事件に関わる辞めましょう。
裕美さんが危険です。辞めましょう。」

と、僕は裕美さんを見つめて熱く云う

「ありがとう。公ちゃん。ありがとうね。
でも、解明したいの。あの怨霊の事を」
強い眼差しだ。
決意の眼差しでもある。

能天気の裕美さんが何故ここまで想いを入れるのか?
納得できない僕だ。

「でも、あいつ。
壁に縛られているから憑依でき無いかも知れない。」
と、裕美さんは楽観的に明るく言った

……やっぱり、裕美さんは能天気だ……


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