見出し画像

(新々)三つ子の魂百までも 26



僕は、裕美さんを抱きしめる。
そして、僕は裕美さんに熱い口付けをする。

そんな妄想が、僕の頭の中を駆け巡った。
だが、ドアの開ける音がその熱い雰囲気をぶち壊す。

「今晩は、修です。誰か居ますか?」
の声。
僕は後悔した!
今日、修を呼んだ事を。
でも、修には何の罪は無い。

修の声に反応し、裕美さんから離れて僕は修を出迎えた。
「ありがとう、わざわざ、来てくれて、眠いでしょ。」
と、修に先ずは労いの言葉。
「今までぐっすりと、寝たので大丈夫です。
裕美さんは?」
と言いながら、靴を脱ぎ、修はスリッパに履き替える。

(言い遅れましたが、この事務所は床式で入り口で靴を脱ぎスリッパを履くようになっています。この事は拙出の[三つ子の魂百までも]
に書いてあります。)

「修君、お久しぶりですね」
と、裕美さんの声。
修は裕美さんと対面する場所に腰をおろす。

次に訪れたのは、林田だ。
いつもの戦場カメラマン風の格好だ
修と林田は初対面。
僕と修が余りにも瓜二つなので、林田はビックリしている様子である。
ただ、修の方が痩せている。
身長は同じくらいではあるが、体重が10kg以上僕の方が重い。
もちろん、筋肉の差だ。

林田に修の事を簡単に紹介した後、僕は裕美さんの横に座る。
林田と修が並んで座る。

「役者は揃った!」
と言っても、裕美さんが主役。

修は例のカメラで霊の写真を撮る人。

林田は、この光景を記録して、場面を普通のカメラで撮る人。

僕だけは役が無く、傍観者。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?