見出し画像

(新々)三つ子の魂百までも 21



「この写真を見て、私は確信を持てたわ。
ここには、強い力を持った怨霊いるわ。
この壁に縛られている。
此処に怨霊が潜んでいるわ。

ここに居る家族は、子供がこの場所から離れる事を嫌がるので仕方なくこの場所にいるのだけど、・・・。
この家族、そんな事してるから上には行けない。
馬鹿な家族です。」

僕には全く理解不能な言葉が、裕美様の口から出た。

…壁に怨霊が縛られている?
そんな不思議で怖い事が本当にあるのか?!…

「この怨霊が、橋田君の友達とお父さんを殺したのでしょうか?」

と、林田さんが尋ねてきた。

「・・・・そうかも知れません。・・・
この前、アパートの中に入った時に、
最初に子供のはしゃぐ様な声が聞こえたの。
子供は、遊び相手を探しているみたいで、
遊んで欲しかったみたいだったの。
この子供の声は、さほど怖くは無かったんだけど、
息を潜めているかの様な霊がいる事に、気付いたの。

あの時、明るく振る舞っていたけど、
本当は怖かったのよ。
分かり易く言うと、猛犬の側を通って行くみたいで、
私が怯えるとみんなも怯えるから、我慢していたのよ。

それに怨霊を恐れていると、
マウントをとってくるから気を付けないといけないの。
強がりでもいいから、恐れてはいけないの。
解った、公ちゃん」

言っている意味は私にも理解できる。
柔道の対戦でも、こちらがビビると
相手がなめて掛かってくるから注意が必要だったが、

幽霊までそうなのか?
幽霊に会っても強がりをする事を決意している僕だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?