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秘密(7)

7

「ところで、ゆきむら君の能力って何?教えてよ。」
と、突然聞かれたが、どう答えて良いのか解らない。
ただ、解っている事は何か念力があるみたいだ。
ただ確信は無い。

「最近、念じただけで物が動いたのです」
と、私の態度は何故か謙虚である。

「それは凄い。ゆきむら君は念力を持たされたのだね」

「持たされた?誰に持たされたの?」

「そのうち解るよ。仲間達が此処に来たら解るよ。」

と、何故かもったい付ける原田晃司さんだ。
「19:00に此処に集まる様になっていたね。もう直ぐだな。」
と、私が言った時、タイミングよくインターホンが鳴った。

覗き窓を見ると、見知らぬ男女三人がいる。
男二人に女が一人。
女の人が私のアパートに来たのは初めての事である。
嬉しい感情を押し殺しながら、ドアを開けた。
「此処は、真田幸村さんの部屋ですね。
始めまして、私は石田純一と言います。
こちらの二人は・・・」
と、言って二人を前に出し自己紹介を促した。

「私は雪村さとみ。小さい部屋ね。此処に全員はいれるの?」と、私の部屋を覗きこむ様に云う。

私の部屋は1LDKで、一人で暮らすのなら良いが、何人も入ると狭い。だが、初対面の女にその様に言れるのは心外である。

「私は、千田太郎と言います。」
と、私を見てお辞儀をした。
雪村さとみとは違い礼儀のある方だ。

「私は、さなだこうそん と言います。
どうぞ中にお入り下さい。」
と、幸村の名前を正確に伝えた。

「コウソン?面白い名前〜」と、雪村さとみは軽口を言いながら遠慮も無く部屋に入って来る。
彼女は石原さとみ似の美人さんだが、品格は低いかも知れない。

千田太郎さんは、ドリフターズの仲元工事さんの若い頃に似ている

石田純一さんは、精錬とした美男子で若き日の三浦友和似だ。

原田晃司は、芸能人で例えると、誰も似ている人がいない。
雰囲気はオリラジの中田の相方で、
顔はイケメン風。

そう云う私は、堺雅人に似ているとお世辞気味に言われる事がある。

「これで全員集合ですか?」と私は原田晃司に聞いた。

「嫌、まだ揃っていないよ。これを見ると全員で七人だ」

「だとすると、後二人ですか?一体此処で何をするのですか?」
と、僕は素直な疑問を述べた

「叔父さんは、何も知らないんだ無いんだ。メール見なかったの?」
と、軽口を叩く雪村。
「私たち、特殊能力を与えられた者が此処に集いこれからの事を相談するのです。もう少し待って下さい。責任者が来ますので。」

千田さんが丁寧に説明してくれる。
千田さんは目が悪いみたいで、分厚いメガネを掛けている。

「叔父さん、何処に座れば良いのよ?」

「此処においでよ。僕の隣においでよ」
と、原田晃司が雪村をソファに誘う。
雪村は表情も変えずに原田の隣に座った。

ダイニングにはテーブルがあり椅子が4脚と三人座れるソファが置いてある。
他のそれぞれは、椅子に座った。

その時、インターホンのベルが鳴る。

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