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三つ子の魂百までも(7)


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夫の浮気を証明する為には、確実な証拠を掴むことだ。写真や、録画、何でも良い。それを依頼者に提出すれば、
仕事は完了するのだが、
今回の依頼者が望むのは、不倫の証明で裁判で認められる証拠を掴まなければならない。

離婚や裁判で勝つ為には、不倫したと判るホテルや相手宅などの
出入りの写真や映像が一回だけは無く、複数回必要となる。
その様な証明をとって始め「不貞の証拠」となるのだ。
ラインなどの、やり取りの言葉だけでは裁判で不倫としての証拠にはならないので、注意が必要である。

僕は何も解らないので、伊東さんや、代表の指示通りにするだけだった。

探偵の仕事は忍耐が必要である事が分かった。
そして、非常にハードである。
何しろ、調査する人の時間帯に合わさなければならないのだ。
しかも、見つかってはいけない。
芸能レポーターの仕事に似ている感じだがレポーターは、存在を知られてもかまわないが、こちらは知られてはいけないし、気づかれてしまったら、終わりだ。

ここでの調査内容は割愛させてもらいます。
結果は、何とか依頼者の望む証拠を掴み、
依頼者の満足するレポートを作る事が出来ました。
依頼者は最初から離婚を望んでいたので、これを証拠に慰謝料の
請求をしたと言う事でした。

私が探偵事務所に入って三ヶ月が過ぎたある日、
一人の女性が事務所に訪れて来ました。

その女性は少し不安化に少し怯えながら、事務所に入って来ました。その時、女性は私の顔を見て、少し驚いているみたいでした。
何故、初対面の人が僕の顔を見て驚くのか疑問だったのだが、
後ほどその理由は分かった。

対応したのは、いつもの様に代表である。

チラシの効果があったのか、私が入社して四人目の相談者である。浮気の調査の後、二人来店してきたが、簡単な調査で終っている。その内容は割愛します。

いつもの様に、代表は自己紹介をし、いつものソファーに対面で座り、依頼者の案件を聞くのだが、
僕もいつもの椅子に座って聴き耳を立てていた。

「あの、私 困っているのです。警察に行きましたが、何も相談に乗ってくれません。」
と少し興奮気味に代表に言った。

「どの様な、ご相談でしょうか?具体的にお願いしますね。
お困りのご様子ですが、私達が出来る事でございましたら、
何でもご協力いたします。」

「私、怖くて怖くて、本当に、---。毎日が不安で、----。」
と、先程の興奮した声とは違い、今にも泣き出しそうな声に変わった。

代表は優しく女性を包み込むように語った。

「そうですか。辛いことがあるのですね。私も以前辛く悲しい事がありました。警察に言っても何もしてくれないし、本当に辛かったです。その気持ちお察しします。」

「何が、あったのですか?辛いことって」
と女性は少し元気が戻ったみたいで、代表に質問してきた。

「私は以前、悪質なストーカーに遭っていたのです。
それを助けてくれたのが、探偵さんでした。ストーカーの証拠を掴み警察に報告し撃退したのですが、それまでは本当に辛かったです。」

「そうですか。貴女もストーカーに遭っていたのですか。
私も今、ストーカーに遭っているのです。それで困っているのですが、-----」
と、弱々しくであったが、やっと本心を語ってくれた。


懲りずに掲載。

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