三つ子の魂百までも(10)
10
いつも憂うつな日が続き少し参っている時のお話し。
私は、いつもの様に朝起きて、洗面して、朝食を食べて会社に向かうのです。
私の仕事は、新薬の開発研究をやっています。
入社当時は希望に燃えていたのですが、
これほど、進展が無いと嫌になります。
私の名前は、加藤修と申します。A型です
性格は自分で言うのも変ですが、真面目です。
ある日、会社の終業の後に訪れたデパートの化粧品売り場で見かけた女性に、私は、一目惚れしてしまいました。
質素にして可憐な女性。私の理想の女性が私の職場の近くにあるデパートに居たのです。
でも、言葉を交わした事は一度もありません。
私はただ見つめているだけです。
私は、子供の頃から人との付き合い方が判らず、友達も無く
一人で自宅に篭っていました。
それが私のライフスタイルになり、残念な事に現在も変わっていません。
私は幼い頃、現在の両親の養子になった事を、最近聞かされました。
ショックでしたが、それほど落ち込みもしなかったです。
私の感情が人よりも鈍いからかも知れません。
私が彼女を見かけてから、私の生活と私の心に光が当たりました。
人を好きになると言う感情が今まで起きる事もありませんでしたが、最近はまだ、名前も知らない彼女を思う事で、心が弾み明るくなります。
此の様な気持ちが、恋なのかと言うことを今、感じています。
私は毎日の様に彼女に会いに行きます。
彼女は私を意識しだしたのでしょうか、私と目が合うと、恥ずかしそうに、目線をそらすのです。
可憐な女性である彼女は、男性に見つめられると、恥ずかしいのでしょうか?
その様に思っていたある日、彼女の方から、声をかけられました。
急な彼女の告白を、私は聞く事が恥ずかしくなり、私は逃げてしまいました。
私の最大の欠点は他人と対面して話す事を苦手としている事です。
ましてや、憧れの女性から声をかけられたのです。
私は彼女に失礼な事と思いながらも、つい身体が逃げるように反応してしまいました。
今となっては、後悔しかありません。
最近、私は誰かに監視されている様な気がします。
私なんか、監視しても仕方ないと思うのですが、
もしかすると、産業スパイが私達の開発している薬を狙っているのかも知れません。
懲りずに投稿。
売れないKindle作家
これもKindleで販売予定
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?