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台湾原住民・アミ族に伝わる伝統工藝を継承する「Kamaro'an(カマロアン)」の植物染めワークショップへ。

お誘いいただき、週末に「Kamaro'an(カマロアン)」の植物染めワークショップへ。

「台湾原住民(日本語だと先住民)」のひとつ、アミ族に伝わる伝統工藝をプロダクトデザイナーたちがモダンなプロダクト作りに活かしているこちらのブランド。

ニンテンドーの広告では、ガッキーのお部屋にこのペンダントライトが使われていましたね!

主には“編み方”や“素材使い”を探究し続けてきましたが、最近ではプロダクトに植物染めのラインも増え、アミ族ならではの染め方を楽しんでいる様子。

シグニチャーであるバッグの新色は、植物染めによるものです。

以前は華山にあったアトリエですが、ここ最近、大安森林公園の近くへとお引越しされ、スペースに余裕が出たこともあって、今のアトリエでは季節のワークショップが開催されるようになりました。

ワークショップは完全予約制。少人数制なのでとても居心地が良いです。

今回のワークショップでは、薯榔シューラン(Dioscorea rhipogonioides ヤマノイモ属の植物で、沖縄や台湾に原生しているようです)と、

檳榔ビンラン(台湾では噛みタバコとして有名ですね)の実を使った植物染めを体験させていただきました。

植物染めのワークショップがスタート!

ワークショップ参加者一人ひとりに向けて用意されたキット
植物染めで作られた作業着をお借りできます。
3枚に分かれた作業着を巻き付けるように着用することで、
長時間の作業中であってもお手洗いに行く時に便利なのだそう。アミ族ならではの知恵ですね。

まずは薯榔シューランで小物入れの袋を染めます

右側のごつごつしたものが、薯榔シューランの元々の姿。 
切ると中央のような色素を帯びた根が見えるそうです。
右側が、それを切り刻んで染色用の素材にした状態。新鮮なうちに使います。
花蓮で採掘された天然の大理石による石臼を使い、
コットンの小物入れの袋に薯榔シューランで色を付けていきます。

アトリエ内に、石臼で薯榔シューランを潰す音が鳴り響きます。

ゴッゴッゴッゴ…

工藝師のImayさん(左)とNacuさん(右)。幼い頃から隣の部落で育ったそうです。

しばらく叩いた後、自分で納得のいくくらい染められたら、水で流して完成です。

これくらいでいいかな?
一人ひとり違う作品ができあがりました!左下のも可愛いですよね。
この日はお天気が良かったので、とても美しい太陽光が差し込みました。

続いて、檳榔ビンランの実でシルクコットンのストールを染めます

檳榔ビンランといえば、台湾で噛みタバコに使われているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

アミ族は檳榔ビンラン葉鞘ようしょうを使ってお弁当箱を作ったり、実の部分を植物染めに使ったりして活用する文化があります。

写真中央が、檳榔ビンランの実をスライスしたもの。
檳榔ビンランの実を使って、シルクコットンのスカーフを煮ながら染めます。
こちらは工藝師のSawmahさん。鍋底が焦げないよう、ずっと火の番をしてくださっていました。

煮上がったシルクコットンは、参加者それぞれの好みに合わせて、鉄や灰などを加え、色にバリエーションを出すことができます。

いただいた色見本を参考に、思い思いの色を加えていきます。

完成!

素人でも、とても美しく仕上がりました! 今年の夏に活躍してくれそうです。
参加者皆さんの成果物。皆さん大満足のご様子でした。
台湾東部の花蓮で発掘された大理石で作られた石臼や、残った薯榔シューランは、
ワークショップで使ったものをそのままお持ち帰りさせていただけるというからびっくり!
贅沢なお土産になりました。

季節のワークショップは今後も開催予定

「Kamaro'an(カマロアン)」では今後もさまざまな季節のワークショップを開催する予定とのこと。

ワークショップの最後に出してくれたお茶とお菓子。

詳細はオフィシャルサイトインスタグラムFacebookなどで告知されますので、ご興味のある方はチェックされてみてください。
※主には台湾華語(台湾で使われている中国語)で進行されます。

アトリエの基本情報

Kamaro’an House
02-2356-3616
台北市大安區新生南路三段11巷2號(Googleマップはこちら

営業時間
Wed to Fri — 3pm to 6pm — 予約制(予約はこちら
Sat to Sun — 1pm to 6pm — Walk-in


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