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三砂ちづる先生は同級生

西宮市在住時の中学一年生の同級生の文章が、6月13日の朝日新聞朝刊「折々のことば」で、大阪大学総長だった鷲田清一先生に引用されている。三砂ちづる女史は、津田塾女子大の国際関係学科の教授である。ベストセラー「オニババ化する女たち―女性の身体性を取り戻す」(光文社)の著者でもある。彼女の著書をいくつか読んでみたが、例えばブラジルの子育て感覚は「父なし子が産まれても、親族全体で育てればいいから、子供が産まれたこと自体を皆で喜び合う」といった、日本人にはない発想で面白かった。今回「折々のことば」で鷲田清一先生が、どういうニュアンスで、このようなコラムが書かれたのかは、唐突でよくわからない。そうだとしても、引用されている言葉は、彼女らしいなと思うセリフだった。彼女の著者「自分と他人の許し方、あるいは愛し方」(ミシマ社)からの引用である。
https://mishimasha.com/books/jibuntotanin.html
 中学時代は同じクラスで、僕は割と勉強ができる方だったが、彼女にだけはどうしても敵わなかった。いつも彼女が一番で、僕が二番だった。ツインテールの髪型にして可愛らしい一方で、いつも違う世界を見つめているような少女だった。自分は中学二年生で転校してしまったから、それから彼女と会うことはなかった。お互い50歳を過ぎてから、今はなき紀伊國屋書店新宿南口店のイベントで偶然会う機会があった。彼女が活躍していたことは、同級生に聞いていたので、名刺交換した。もちろんお互い歳を取ったが、顔はほとんど変わっていなかった。その場もそうだったが、いつも着物を着用しているそうだ。中学時代と変わらず、相変わらず違う星に住んでいるような雰囲気だった。トークショーだったが、大学の教え子が大勢来ていて『あゝ、学生さんたちにも信奉されているんだな』と感服した。そのうち食事しようとか、何か本出せないかな?とか話しているうちに、特に行動も起こさずに、そのままになってしまった。今考えると、もったいないことをしてしまったなあと思う。

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