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魚戸おさむ「ぐわんばれ金太郎」

「わんぱっくコミック・リバイバル」シリーズから、魚戸おさむ「ぐわんばれ金太郎」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B09CKHWP7Q/
後にテレビドラマ化された「家栽の人」などのヒット作を世に送った魚戸おさむ先生の初期作品は少年向け作品だった。
 なまず大夫に誘拐されたさくら姫を救わんとする少年忍じゃじゃ丸。覚えたての忍術を使って、全力で魔の手を打ち破る健気さ。「いっき」では嫁をもらえるあてもない貧乏百姓二人が神さまに唆されて、一揆を起こして悪代官に立ち向かう。幸運をつかむためには何が必要かをユーモラスに教える。「マイティボンジャック」では悪の手に倒れた兄弟にかわって、ジャックが魔王ベルゼブル一党に立ち向かう。誘拐されたパメラ王一家を探すために奮戦するが、肝心なところが抜けているところがまだ子供。「かんしゃく玉投げカン太郎の東海道五十三次」では花火修行の終わったカン太郎が、愛するももこちゃんに晴れ姿を見せるためにお江戸に急ぐ。しかしカン太郎の持つ製造法の巻物を狙う剛左衛門が、カン太郎をつけ狙う。知恵と勇気でピンチを切り抜けるカン太郎。山のお寺に合宿に来た強豪柔道部。お寺に住まう金太郎は熊をも従える野生児。柔道部のイケメン主将から挑戦を挑まれた金太郎。みんなが見守る中で行われた決戦の行方は?
 なんてったって絵が可愛い。登場するのが少年少女たちだから、なお愛らしい。そしてそそっかしくも初々しい。主人公たちだけでなく敵役までもが愛すべき登場人物たち。後にヒューマンドラマを描いて大成する著書だけに、人生で大切にすべきことは何かという原点をユーモラスに描いてくれる清々しい作品群。

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