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大分「とり天にぎり寿し」

京王百貨店新宿本店の第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」には全部で300の駅弁が集結している。とてもじゃないけれど全ては味わえない。残された会期で行ける時は行っておこうということで4回目の訪問。快晴の屋上には同好の士が集う。老夫婦がどんな手順で食べるかを、幼い兄妹のように喧嘩して食べているのも楽しそう(意外とこういう夫婦が多い)。自分のようにビジネスランチとして職場を抜け出しているサラリーマンたち。高層ビル直下の駅弁ランチ百景だ。
 前回行った時に目を惹いた駅弁があった。大分「とり天にぎり寿し」(鮨由)@1200。別府の友人のところに遊びに行った時に、鶏肉の天ぷらが大分名物であることを知った。東京では唐揚げや竜田揚げで、天ぷらにはあまりお目にかかった記憶がない。これを「にぎり寿司」にした駅弁である。鶏天にはあまり味がついておらず、タルタルソースとポン酢をかけて、洋芥子をたっぷりとつける。爽やかにしてパンチがある。海苔巻きの風味も芳しい。よくよく考えれば『これは鶏南蛮ではないか?』。組み合わせの妙がよく練られている、郷土をアピールした好感度MAXの駅弁であった。

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