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田森庸介「無茶の猫丸②」

「わんぱっくコミック・リバイバル」シリーズから、田森庸介「無茶の猫丸②」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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 猫姫を救い出すために魔天城の武芸大会に出場した三毛猫丸。しかし魔力を持つ妖魔たちはみんな手強かった。しかし猫丸は百倍帯、猫術、竜神剣の秘密兵器を最大限に活かして「猫車」という必殺技を生み出し、準決勝で最強敵の鬼門ヤズーを倒す。決勝で猫丸に立ちはだかるのは、中国の武術・掌臨寺拳法の最後の継承者である陳拳神。「掌破」なる衝撃波は、競技場である城すら吹っ飛ばしかねない破壊力。しかし猫丸は敵の教えである「剣だけでは勝てない」を逆手に取って勝利。遂に猫丸は武芸大会の勝利者として、羅紗王に天魔城に妖魔騎士の称号を受けるために招かれる。その夜は羅紗王と猫姫の婚礼の宴が開かれていたので、猫股半兵衛、剛勇斎、猫丸は猫姫奪還に動く。五重塔に猫姫を連れて逃げた羅紗王を追う猫丸たちには、妖魔羽衣が立ちはだかる。
 伸びゆく才能は、戦う度に成長してゆくものである。相手にとって不足なしどころか、いつも相手の方が錬磨の騎士であり、予測もつかない新手の技を繰り出してくる。しかし猫丸の信念は『絶対に負けない』『絶対に勝つ』である。自分を信じることでは、誰にも負けない。弱気な愚痴などは、一切口にしない。常に前向きあるのみである。そこが猫丸が徹底的に「無茶」を通すとこと。そんな猫丸の心意気に、闘う相手も惚れてくれる。そして猫丸は、味方を増やして、レパートリーを広げて、ドンドンいっぱしの騎士に育ってゆく。いつの間にやら、押しも押されぬ勇士である。そして自惚れず、驕らず、猫姫奪還と暗夜魔将への復讐という、人生の目標を明確に打ち立てる。

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