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大下英治「大波乱の予兆 野田民主 vs. 谷垣自民」

政治ノンフィクション電子復刻。大下英治「大波乱の予兆 野田民主 vs. 谷垣自民」(徳間文庫)。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08LVPMT7R/
 東日本大震災が民主党の菅政権を直撃。未曾有の大災害に、政府は為す術もない。怒鳴っているばかりの菅直人と仙谷由人。一向に進まない震災対策に、野党のみならず、民主党内部からも菅おろしが始まった。特に仙谷由人にスポイルされた小沢一郎グループは反旗を鮮明にした。野党による菅直人総理の不信任動議に呼応する民主党反主流派。しかし狡猾な菅直人は、うまくかわして延命して責任を取ろうとしない。延命の末のポスト菅は、鳩山小沢連合の推す海江田万里と、菅陣営が推す野田佳彦を軸にした総裁選になった。結果的には「どじょう政治」を訴えた野田佳彦が総裁選を制した。
 新たに総裁となった野田佳彦は輿石東を幹事長に迎えた。それは親小沢、反小沢に終始した民主党のノーサイド宣言だった。就任した野田総理は好感度を持って国民に迎えられ、支持率は60%を超えた。しかし党内融和の弊害として、派閥寄せ集め内閣が出来上がった。野党に下った自民党では、谷垣禎一総裁、大島理森副総裁、石原伸晃幹事長の三人組が全てを決めていた。石破茂政調会長と小池百合子総務会長は発言力を失った。自民党の中でもゴタゴタは続く。こういう中で日本は税制改革、震災復興、原発、沖縄基地、TPPなどの問題を抱えていた。そして近づいてきた衆議院の任期満了。解散を睨んだ民主党と自民党を軸に、公明党やみんなの党との連立が選挙の行方を左右する。

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