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墓参りの防風ライター

学生時代の同級生女子のお墓参り。同級生4人とご主人の5人のメンバー。故人が生前の間はご主人と面識がなかったが、死後にわれわれ同級生とおつきあいが始まった。故人は印刷会社の社長令嬢で、慎み深く剽軽で、居るだけで場が和む女性だった。だから男性は宴席では皆彼女の隣に座りたがった。弟さんが美術館の偉い方だったので、よく美術展のチケットをもらったものだ。故人が癌治療していたことはみんな知っていたが、ある日ポックリ逝ってしまった。血栓が飛んで彼女の残された人生を奪った。人はある日突然いなくなる。同級生みんなで悼んで泣いた。

 仕事は翻訳家で、実はご主人に下訳させていたと聞いて、意外に嬶天下だったことを死後に知る。人は外と内の顔が違うことに大笑い😁。故人は漫画好きで、僕が復刻していた漫画も高額なのによく買ってくれていた。そういう意味で話も合って楽しかった。彼女がいなくなって、同級生グループもなんとなく雰囲気が変わった。やはり欠くべからざる人がいなくなることは大きい。

 最近は親しかった方々が、あちらの世界にドンドン行ってしまう。父、義父、叔父、叔母、上司、藤子不二雄Ⓐ先生、みなもと太郎先生、かこさとし先生、大海赫夫人(アジサイ)、川越の同級生と墓参りに忙しい。いずれそう遠くない時期に自分もそっちに行くのだろうが、生きているうちに墓参りに奔走しておきたい。この日はご主人が①ご本尊さまに南無阿弥陀を唱える②周りの餓鬼のためにも墓石に水をかける③お墓の前で念仏を10回唱える、のお作法が心に残った。ところで同級生が線香用に持参した「防風ライター」に感心。これさえあれば風の強い日も線香着火が安心。


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