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角界二つの悲報、麒麟児と琴勇輝

角界に二つの悲報。一つは麒麟児だった元北陣親方の逝去。回転の速い突っ張りと、よく動く出足の俊敏な力士だった。その動きたるや小気味よく、観ていて快感を伴う速攻相撲だった。特に富士桜との伝説的一戦は、双方の名を高めた。顔立ちも愛らしく、多くの相撲ファンに愛された。昭和の印象に残る名力士である。
 もう一つは琴勇輝関の引退。激しい突き押しの実力派力士だった。中でも2016年の春場所は11連勝して12勝3敗の好成績。しかも横綱・日馬富士関を破って金星。翌5月場所で一気に関脇を張った。そして何より愛されたのは、仕切りの際の「ホッ!」という気合い。これは白鵬が「犬が吠えているみたいでみっともない」などの意見をして、やらなくなってしまった。しかしやれば観客は大喜びだった。琴奨菊の琴バウアーや、高安の気合い入れなど、力士独特のルーチンは、審判部などに注意されることが多いが、お客も覚えていて湧くので、それはそれで個性的でいいのではないかと思うのだが。それはともかく、琴勇輝はもみあげが立派な美男子で、しかも所作が面白い力士だった。年寄「君ヶ浜」を襲名。

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