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かたおか徹治「ファミ魂ウルフ③」

かたおか徹治「ファミ魂ウルフ③」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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那須岳から野生命知郎に救出された狐島陽子は、ファミコントーナメント栃木県大会に出場。決勝の相手は那須で自分を幽閉した九尾の狐。その正体は白髪の少女・野干月子。実は彼女は陽子とは深い因縁があった。神奈川県大会では人気バンド「ザ・ニューサーファー」のスター・トビーこと美崎飛魚が勝ち抜いた。しかしなぜかトビーは命知郎を激しく敵視する。そしていよいよ後楽園球場で関東大会が始まった。命知郎の初戦はトビーだったが、睡眠薬の入ったジュースを飲まされた命知郎は窮地に陥る。いずれも剛田コンツェルンの差し金だった。
 もはや物語はファミコンというよりタイガーマスク「虎の穴」状態。もしかしたらこの作品と「タイガーマスク」はお互いに影響を与えているのかもしれない。そして剛田コンツェルンの次々と繰り出す汚い手に憤慨しながらも、艱難辛苦を乗り越えてゆく命知狼に拍手喝采である。そんな堂々たる態度に、味方やシンパも増えてゆこうというものだ。世の中は悪者が大手を振って闊歩していて割り切れないことが多いけれど、せめて漫画の世界では勧善懲悪がスッキリとしていて、読んでいて痛快である。

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