見出し画像

田森庸介「無茶の猫丸」

わんぱっくコミック・リバイバル」シリーズから、田森庸介「無茶の猫丸」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B09CK1JDDX/
暗夜魔将率いる魔物の軍勢に滅ぼされた三毛家。二人の子供がいたが、逃がされて生き延びた猫丸。復讐のために、龍神金剛山に預けられた秘剣・竜神剣を取り戻す。そこで出会った那羅幻角に、猫目山に修行に向かうよう命じられる。道中、三毛家が祀っていた猫神に命じられて、忍者・猫股半兵衛が猫丸の護衛と指導につく。剣術大会で腕を磨いた猫丸は、騙された猫婆に恩をかけたことで百人帯という秘密兵器を手に入れる。暗夜魔将を倒すためには、人心を読み、未来を予知できる猫姫の力が必要だとわかった猫丸。暗夜魔将の手下・羅沙王が治める難攻不落の魔天城に救出に向かう。
 天衣無縫の猫丸の青春剣劇。何の実績もない裸の若者が、評判高い名のある歴戦の勇士たちに敢然と挑んでゆく。そもそも地力が違う場合には、ありとあらゆる角度からチャンスを探す。そして何より猫丸が魅力的なのは懐の深さ。負けを認めた相手には潔く面子を立てて、望みを叶える。だから自然と味方も増えて、新しい力が加わってゆく。剣の腕だけではなく、剣士の器の成長をも描くビルディングロマンスである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?