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みなづき由宇「ダークダンジョン」

みなづき由宇「ダークダンジョン」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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ディールージュ国は魔物族の侵略を受け、危機に瀕していた。王女リーナ姫は救国の聖剣士を求めた。そこに駆けつけた剣士ナイト・アースは、レンジャー(狩人)ルナ、魔術師ジュピターとその孫である魔女っ子ミリィと合流して、魔洞ダンジョンへ向かう。数多くの魔物が襲いかかってくる中、一行は商人シェルタークンと出会い、ナイトは光闇の剣と神魔の盾を、ルナは炎の弓を得る。そこを支配するメイジ・リザードは、デスロードなる殺人機を製造し「鉄騎聖」と命名する。「鉄騎聖」の力に圧倒されるナイトだったが、闘いの中で光闇の剣の真の使い方を知る。そして遂に最終決戦の場を迎えた時に、メイジ・リザードはダークドラゴンとしての真の姿を現し、ナイトは自らの命を犠牲にして立ち向かう。
 こちら本格的な異世界ファンタジーである。登場キャラクターも数多く、読み込みにもパワーが要る。聖戦には仲間が必要である。そこはしっかりと信頼できるパートナーたちが登場する。中には敵だったのに、主人公ナイトに惚れ込んで味方になってくれる幸運もある。そして敵方も表の姿と真の実態があって、設定にも深みがある。次々と襲うピンチに、神器の使い方をマスターして成長してゆくナイト。そのビルディングロマンスの結末は、まことに切ない余韻の残るものであった。

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