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2023年印パ旅行記②(アムリトサル編)
翌朝、インド国内線でアムリトサルへ向かう。空港に入るのに随分時間がかかったが、何とか間に合った。
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1時間ほどのフライトを経て、無事アムリトサルに到着。ここからは事前にお願いしていたガイドさんと回ることになる。早速市街地に出ると、まずはヴィクトリア様式の建物がお出迎え。
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アンベードカルについては学校で習った旨をガイドさんに伝えるとたいそう喜んでくれた。どこの国でも、自国の偉人について知ってもらえるのは嬉しいことなのかもしれない。ちなみにここに来るまでにスバス・チャンドラボースの像も見かけたが、流石に自分からは触れられなかった。 アンベードカル像を過ぎてしばらく歩くと、シク王国の創始者・ランジート・シングの像が見えてくる。
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アムリトサルはシク教の聖地として知られる。今回の旅の目的のひとつ・黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)はシク教の総本山にあたる。
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入り口で靴を預け、バンダナで髪の毛を覆って黄金寺院の境内に入る。境内には絶えず音楽や聖句が流れ、人々が思い思いに過ごす空間が広がっており、これまで訪れたどの宗教施設とも異なる独特の空気だ。
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黄金寺院では、24時間無料の食事がふるまわれている。食器の受け取り、配膳、喫食、食器返却の流れは高度にシステム化されており、異教徒・外国人であっても容易に体験することができる。また、無料食堂の運営は全てボランティアによるものであり、希望すれば手伝うこともできるようだ。
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シク教は異教徒に極めて寛容なことで知られるが、この食堂の様子はまさにそれを体現したものだといえる。筆者は日没後にも黄金寺院を訪れ、本堂内に安置されている聖典を拝観することができたが、信徒にまざって拝観の列に1時間ほど並んだことも含め、ある種の「聖的」な体験をすることができた。昔から「インドに行って人生観が変わった」という旅行者は絶えないが、今では彼らの気持ちも何となく理解できる。資本主義社会や物質文明により淘汰されていった空気感が、この国にはまだ多く残っているのだ。
黄金寺院を後にして、ジャリヤーンワーラー庭園に向かう。世界史の教科書にも登場する「アムリトサル事件」の舞台となった公園である。
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1919年3月、英領インド帝国でローラット法が発布された。これは、破壊活動の容疑者に対する令状なしの逮捕、裁判なしの投獄、陪審員によらない裁判の実施を認めるもので、インド市民は当然反発、大暴動に発展した。植民地政府は集会の禁止を通告するが、4月13日には植民地政府に対する抗議のため、女性や子どもを含む非武装の市民1万2000人がこの公園で集会を開いた。この集会に対して、公園に駆け付けたインド帝国軍が市民たちに対し突如として発砲、1500名以上が犠牲となったのである。
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今では市民の憩いの場となっているが、一方で悲惨な事件の現場であったことを示す痕跡が随所に残っている。イギリスによるインド統治が決して遠い過去のものではないことを痛感させられる。
公園を出てバザールの散策に向かう。狭い路地には様々な店が出ており、人々やバイクが激しく行きかっているものの、せわしなさはなく全体としてゆったりとしている。
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散策を終えた後、昼食を済ませてワーガ国境へ向かう。アムリトサル市街からは車で1時間弱で、国境に近づくにつれ観光客を乗せていると思しきリキシャやバスが増えてくる。
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このセレモニーをどのような気持ちで見ているのだろうか。
外国人は早めに会場に入ることができ、席もセレモニーがよく見える場所を割り当てられている。開演前にはジュースやスナックの売り子が客席を巡回しており、さながらスポーツスタジアムのようである。
席が埋まってくると、前座のようなイベントが始まる。愛国歌と思われる音楽に乗りながら、観客たちがインド国旗を振り、踊り始めるのだ。
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ダンスパート(?)が終わるとMC役の兵士が現れ、掛け声のレギュレーションなどの説明が行われ、セレモニー本編がスタートする。
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印パともに儀仗兵たちは非常に大柄で、行進や足を高く上げて威嚇する姿は音楽や歓声も相まって動画で見るよりも圧倒的に迫力があった。国威と国威が正面衝突する様子は一見の価値がある。可能であれば、是非とも見に行ってほしい。
アムリトサルは神聖な空間あり、苦闘の歴史の痕跡あり、ナショナリズムのぶつかり合いありと、まさにインドを凝縮したかのような町だった。デリーも良かったが、個人的にはアムリトサルの方がゆったりと、それでいて熱く過ごすことができた。
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