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Bondee最高という話

SNS「Bondee」をご存じですか。Bondeeはメタバース的な要素を取り入れたシンガポール発のSNSアプリです。最近Twitter上でBondeeの名を目にする機会が多く、かつ仕事柄メタバースやSNSのトレンドを扱う記事を書くこともあるので、ものは試し精神でさっそく登録してみました。
結論から言います、このアプリ最高です。どう最高なのかテーマ別に言語化すると、下記の3点が挙げられます。

  1. ずっと求めていた”ほどよい距離感”ってこれだったんだ

  2. 鬱陶しい広告が今後も入らなそうなビジネスモデル

  3. もっともユーザーニーズに近いメタバースかも

ひとつずつ細かく解説していくので、「(Twitterの暴走が激化してるしFacebookオワコンだしTikTokもInstagramも怖いし)そろそろ新しい居場所が欲しいんだが?」という皆様はぜひ参考にしてください!

1.ずっと求めていた”ほどよい距離感”ってこれだったんだ

SNSが普及して幾星霜。mixiの興隆を疎外感と共に見守った高校時代、Twitterの黎明期と自己承認欲求のバグ期が重なった大学時代、そしてFacebookでビジネスパーソンがマウントを取り合う社会人時代を乗り越えた33歳の私は、SNSのトレンドを逐一リアタイで体感してきたと自負している。

そんな私が現在おもに使っているのはTwitter。ほかはもうほとんど見ていない。Z世代のスラム街と化したTikTokや流れ星のごとく光り消えたClubHouseは、波に乗ることすらできなかった。もう感覚がおばはんかもしれへん。

で、正直Twitterにもしばらく前からげんなりしている。やたら意識の高い情報系アカウントが量産され、たわいもない”つぶやき”を残すことに気が引けはじめた。謎のアカウントからフォローされるのも好きじゃない。かといって相手が誰なのかわからないと、過剰反応されそうでブロックしづらい。それに追い打ちをかけて、最近はイーロン・マスク旋風が吹き荒れている。要らん機能ばかり増えて、マネタイズの城が築きあげられていくのを指をくわえて見守っている。

前置きが長くなったが、私はただ、ほどよい距離感で、なんともないゆるやかなつながりを作っておきたいだけなのだ。そんなSNSの原点ともいえる素朴なユーザー心は、どのプラットフォームも満たしてくれない……。

そこにすい星のごとく現れたのがBondeeだ。

Bondeeホーム画面
Bondeeのホーム画面

Bondeeには基本的にタイムラインという概念が存在しない。友だちになったユーザーたちが、今の「ステータス」と「一言」を更新しているのが、バーチャル空間に雑多に配置されているだけ。
視覚的に「今あの人、仕事が忙しいんだな」とか、「お、旅行中なの!いいね!」とか、「猫めでてるのね~にゃ~ん」とかがリアルタイムでわかる。だからといって、それほど深いコンテクストは読まなくていい。Twitterほど意味性がない。すげー楽

そしてBondeeは50人までしか友だちを登録できない。そうそう、それでいいんだよ。自分のなにげない生活を共有してゆるやかにつながっていたい相手なんて、正直10人もいれば十分だ。

Bondeeの「航海」モード画面
航海している間は、波の音とやさしいBGMが流れる

ホーム画面のほかに「航海」というサブコンテンツがある。仮想の海をただ自分のアバターが船に乗って揺蕩うだけの、びっくりするほどゆるいコンテンツなのだが、ここに「ボトルメール」という機能があるので紹介したい。
これは不特定多数のBondeeユーザーに向けて、こともなげにメッセージを投げる機能だ。誰かに届くと、ごくまれに返信をもらうことがある。そして自分が海を航海していても、ごくまれに誰かのボトルメールを読める。
ボトルメールとの出会いは一期一会。返信しても良し、何もしないで投げ返しても良し。自分がまったく知らない人との距離感がじつに心地いいし、まったく知らない相手に向けてだからこそ自分の本音を投げ込める「海」という概念がもたらしてくれる癒しもまたありがたい。
ゆるやかにつながること。そのつながりの中でも生じている濃淡。相手によって伝えたいこと、伝えたくないこと。人数制限された友のコミュニティと、無制限に開放された海。そのすべてが、私がSNSに求めていた”ほどよい距離感”に合致した。だからめちゃくちゃ居心地がいいのである。

2.鬱陶しい広告が今後も入らなそうなビジネスモデル

Bondeeのメイン機能は下記の4点に集約される。

  1. 短い文章または写真を、限られた友だち(または不特定多数の誰か)にシェアする

  2. バーチャル空間にいるアバターのステータスを今の自分に近い状態に更新する

  3. 自分のアバターや部屋を自分好みにカスタマイズする

  4. それらを行っている友だちに任意で反応を返す

SNSとしての機能は1と4のみのシンプルな構成で、メタバースとしての機能は2と3が備えている。

Bondeeのアバター着せ替え画面
アバターの服はその日の気分に合わせて着替えられる

今のところ課金要素はないが、アバターの洋服やアクセサリーの一部に「Limited free trial」と記載されているので、今後ここが課金対象になってくるのだろう。昨今のメタバーストレンドから想像するに、課金すると有名ブランドのコラボスニーカーが手に入ったり、世界的なファストフード店の限定バーガーを手に持ったりできるようになるかもしれない

Bondeeの部屋画面
正方形のスペースに任意の家具を配置できる

また、これも想像でしかないが、部屋の追加要素も課金対象になりそうだ。より広い部屋にしたり、好みの家具を買ったりすることに課金できるようになると、「リヴリー・アイランド」のような楽しみ方をするユーザーも増える気がする。(※リヴリー・アイランドの沼については語りだすと長いので割愛する)

言い換えれば、おそらくBondeeは「広告収入モデルを基盤としないSNSをめざしている」はずだ。Facebook、Twitter、Instagram、TikTok……ここらへんが「ユーザー同士で面白いね」の時代を超えて「なんか居心地悪いな」に切り替わる分岐点には、多かれ少なかれ広告収入モデルの影がある。「タイムラインにちらつく広告がうぜえ」という直接的なストレスもさることながら、「マネタイズができるらしい」と目をマネーマークにしたユーザーが増えてくると、つまらん投稿があふれ、治安も乱れてくる。

そういう未来があまり訪れなそうなところが、Bondeeの良いところである。というのも、まず友だち50人制限のルールがある時点で影響力を起点にしたビジネスが展開しづらい。また、仮に企業広告をこのSNSに取り入れるとしたら、鬱陶しいプロモーション投稿ではなく、なんらかの形でこのメタバースに溶け込ませるほうが妥当だ。これはあくまで個人的な感覚だが、Twitterのタイムラインで動画配信プラットフォームのCMを何度も垂れ流されるより、Bondeeのアバターが人気動画の主人公とおそろいの服を着られたほうが、よっぽど楽しめるし対象コンテンツに興味を持つ。

だからおそらく、Bondeeには今後も「お金の匂いからただよう居心地の悪さ」が介入してこないと予想している。もちろんいかなるコンテンツもビジネスだから、マネタイズは必要だとわかっている。だから今後Bondeeに魅力的な課金要素が登場したら、私は惜しみなく課金する。見たくない広告や金の亡者どもに侵入されない仮想空間を維持できるとしたら、現代においてそれはとっても魅力的な居場所だからだ。

3.もっともユーザーニーズに近いメタバースかも

最後に、SNS的な視点ではなくメタバース的な視点からもBondeeについて考えてみる。

メタバースは数年前からトレンドとして扱われ、各業界がその可能性について言及しているが、2023年現在になっても「社会に浸透した」という印象は薄い。私自身「Fortnite」上で行われた米津玄師のライブイベント(※上記動画参照)に胸を躍らせた一人のユーザーだが、だからと言ってバーチャルライブにお金を払ってライブの代替として享受したいとは、今のところ感じていない。

メタバースはリアルの代替となる体験を提供できる場所として高い期待を寄せられているが、ちょっとまだユーザーの心と体はそこまで追いついていない気がしている。平成元年生まれのオールドな感覚かもしれないが、私がいまメタバースに一番求めているのは、現実から少し距離を置いて、ホッとできる休憩所くらいの温度感だ。

また、メタバースを没入感という切り口で話せば、VRとの相性が抜群という話題ももちろん出てくるわけだけれど、これもユーザー側のハードウェアを準備しなければならず、ハードルがわりと高い。メタバースでリモートワークなんてアイデアも出ていたが、あんな重いハードウェアを頭に背負って誰が仕事をしたいんだろうか……。そこまでしてバーチャル空間に没入したいという欲求があまりわかない。

だから、スマートフォンの画面上で海を漂うアバターと空模様をふと眺めて、「ああ……そろそろ日が暮れる時間かぁ」とか思うくらいのBondeeのメタバース感って、今の自分にとってはじつにちょうどよいのだ。

Bondeeの記念写真サンプル
友だちとバーチャル航海をして、自動で記念写真を撮影されたりもする。

VRゴーグルを装着するでもなし、ゲームを起動するでもなし。仕事の傍ら、もうひとつのバーチャル空間が存在して、ふと自分の「今」から離れることができる。LINEで話すことができる友だちもそこにはいるけれど、とくだん用事がなくても、たった今、彼や彼女がどんな時間を過ごしているのか、少し遠くから知ることができる。仮想空間だから維持できる距離感だ。

そんなわけで、今までメタバースについていろいろ文献や事例を調べたり、自分で体感したりしてきたけれど、一番しっくりきているのがBondee的なメタバースなのだ。

ということで、Bondeeおすすめだよ

ここまで書いた魅力が「お!それそれ!いいね!」と思った方は、ぜひBondee登録してみてください!あと、自分がほどよい距離でつながっていたいと思う大切なお友だちも、併せて誘ってみて!

私は限りある50人という友だちの枠を大切に使いたいので、ここには自分のQRコードを載せませんが、TwitterとかLINEとかでつながっててふだんから仲いい人は大歓迎です!ぜひ友だちになりましょ。そういう方はどっかからご連絡ください♪

以上、Bondee最高という話でした。


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