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絶景の天狗岩へ行こう!

おにぎりを持って出発

 今いる場所、今ある時間を大切にしようと思い、最近色々探索中。
 今日は、映画やCMの撮影地にもなったという天狗岩を目指してみることにした。

 隣の鉄人から行き方を何となく聞いた。
 天狗岩は陀峯山(だぼうさん)に行く途中にあるらしい。島から呉に渡る早瀬大橋を渡らず下の方に行って細い道に行くとざっくり覚えた。

 最近寝るのも起きるのも遅いのだけど、今朝は週に一度鉄人と軽トラでゴミ捨て場まで行くゴミの日なのでがんばって起きた。

 前日の二月一日は中国の春節で時差一時間あるから1時ぐらいに「おめでとう」メッセージの応酬。はっきり言って眠い

 昼寝しようかと思うぐらい眠かったが、二度目の元旦気分で山に登って太陽と海を拝みたくなったのでがんばって出発。

 おにぎりを二つ作った。
 これは「三月のライオン」16巻でひなちゃんが零ちゃんに作った白ごまたっぷりの塩昆布おにぎり。「ごま油をちょっぴりたらすとおいしいの!」のひなちゃんのアドバイスとおりに作ってみた。

 おにぎりもって出かけるだけで、ピクニック気分でテンション上がる↑
 とはいえ眠気と闘いながらうだうだしているうちに結局出発時刻は13時をとっくに過ぎた。

 そして古民家を出て数分で道を間違える。呉まで行く道をかんちがい。
 すぐ気づいてUターン。途中セブンでコーヒーを買う。
 余談だが前日nanacoをポケットに入れたまま洗濯してしまったけれど、無事使えた。店員さんに「nanacoすごいね!」と謎のnanaco絶賛。

 そこから順調に本ルートに戻ってまず目指すのは早瀬大橋。

猪出没地帯に迷い込む

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さて、私にあるのはこの地図の画像と鉄人から聞いたざっくり情報だけ。

 しかも早瀬大橋を渡っちゃいけないと言われていたのに渡ってしまった。
 橋を渡ったところにラーメン屋があり、そこでまたUターン。
 「営業中」と書いてあるので、ラーメン食べるか迷ったけれど、おにぎり持ってるし、何より目的地まですぐ着くかはわからないので即あきらめる。

 そしてまた橋を戻って坂を下りたところにとりあえず曲がって進めそうな細い道があったので入りこむ。

 私は好きなものは先に食べるタイプだし、目の前にあるものにとりあえず飛びつくところがある。

 とりあえずどんどんその道を進んでいった。

 確か鉄人は車が行き交えないぐらいの細い道で、軽トラじゃないと道が狭すぎてたいへんと言っていた気がする。

 その道は確かに道が細かった。私が乗っていた車は軽ではない。正直すぐ崖下が見えるぐらいのところもあり、超怖かった。

 事前に一応ネットでも調べたんだけど、そこまで行く道の様子はよくわからなかった。でも天狗岩の近くに駐車スペースはあるとの情報。

 スペースなんていっこうにない。かろうじてあったのはこんな感じ。

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 舗装していない道が続き、正直道も狭すぎてバックで戻るにも危なすぎる。一歩間違えたら片輪外す。私はバック得意な方だけど、ここは本当に危ないと思った。 

 そのうちいよいよ先に進めなさそうなポイントに着く。

 先はこんな感じ

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 ちょっとわかりづらいけどかなり狭いし土がぼこぼこになっている。
かろうじてこの地点がぎりぎり車の方向転換ができるだけのスペースがある。先に進んでそんなスペースがあるかはわからない。なければバックでここまで戻ってくるには危なそう。

 果たして先はどうなってるのか……。

 私は車を降りて歩き出した……が、やばい!ここはなんかやばい!

 全身で私の猪センサーが反応した。

 竹藪の上下で音がしてるけど、風のほかに生き物の気配。

 私は急いで車を停めた地点まで戻った。
 

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 ちょっとこれもわかりづらいんだけど、明らかに猪が掘ってる跡があちこちある。

(うん! 引き返そう!)

 私は先に進むにしてももっと情報がほしいと思った。
 
 ゆっくりゆっくり元来た道を戻る。
 今度は助手席側が崖側なので、行きより怖かった。行きは運転席側が危ないから、幅がよく確認できた。
 落ちるのを避けるため寄り過ぎた草木で車が擦れる。
 ちなみにこの車は鉄人からお借りしている車。
 それもあったので引き返したというのもある。
 携帯の電波も届かなさそうだし、身動き取れなくなってもJAF呼べない。

 やっとふもとの家みたいなところまで降りてきて、そこで私は第一島人を求めてその家の入口のドアを叩いた。

 インターホンがどこにあるかわからないので、ドアをノックして「すみませーん!」と叫んだけど、人の気配がないのでいないのがすぐわかった。

 この時私は猪の気配、鳥の気配、人の気配、すべて区別できてた気がする。危険な気配と安全な気配も。

 不思議だけどそういうときってほんと余計なこと考えないし、決断も行動も早くなる。人間ってまだまだ使ってない感覚あるんだなぁと思う。

 そして私は公道まで戻ってきた。
 そしてある看板に愕然とする。

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げげっ! 猪出没地帯やんけ!!!!

明らかに天狗岩じゃない。
そうなるとまた振り出しに戻る。
ちなみにこの地点は早瀬大橋のすぐそば。
ここから入っていくとほんと危ないのでご注意を!

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 ちなみにこの島はのんびりしたところで、暴力追放というより猪追放のほうが深刻な問題と思われる……。

 この辺は、車は通るけど人の姿はない。

 とりあえずすぐそばに運送会社みたいなのがあったので、車を降りてそこを目指す。

 そして第一島人発見!

 トラックの運転手さんに私は「すみませーん」と駆け寄った。
 その人は携帯で仕事の電話中。
 これが都会なら、別な人にしようとあきらめるところだけれど、この人を逃したらほかに人もすぐ見つかるまいと思い、電話中の運転手さんの前でソーシャルディスタンス+仁王立ちで、電話が終わるのを待つ。

 そして運転手さんに聞く。

「天狗岩はどこですか?????」

 運転手さんによると

「この先、まっすぐ行くと工場を解体した空き地みたいのがあって、そこを左に曲がっていくとある」

とのこと。

 そして私は車に戻りまた出発。

 しかし前述したとおり、私は目の前にあるものに飛びついてしまうタイプ。
 橋の時と同じ失敗で、海岸線沿い走れる道路をみつけてそっちに右折してしまった。

 看板の地図が頭にあったので、おそらくその先には羅漢石があり、天狗岩はその近くだと思ったのだ。

 そしてまた道が細くなり、一車線と二車線を繰り返す。
 もうそこでまた何となく「この道はちがう」センサーが働く。
 それでもせめて羅漢石でも見れればと思ったけれど、なんか思ったよりすぐ着かないし、とっととあきらめてまたUターン。

 なんか私の人生に似ている……。
 そこまで行ってみよう!という瞬発力はめちゃくちゃあるけど、見切るのが早い。まあでもそれがいいか悪いかはその時によるし、この時も、とにかく最優先は天狗岩という目的地だったので、見切る判断は早くてよかったんだと思う。実際運転手さんには左と言われてるのに右に行ってるわけだし。

 そして右折地点に戻り、また本ルートへ。

 それにしてもかなり来すぎていたようだ。鉄人ワードの「早瀬大橋」を目指してきたけれど、早瀬大橋は背後にどんどん遠ざかる。

 そこでまた島の地図の看板発見。
 その地図があったのはだし道楽の会社?工場?なんか瓦屋根のところ。

 そこで第二島人発見。
 私はまた「おーい!すみませーん」と両手を振りながら駆け寄っていく。

 お!マスクイケメン! 島には珍しい妙齢の若者!
と思ったら案の定

「地元じゃないんでよくわかんないんですよ」

と言われる。

 それでも親切なマスクイケメンともう一人現れた第三島人は携帯を使って天狗岩までの行き方を調べてくれた。

 どうやらだし道楽から三分ぐらい走ればいいとのこと。ストリートビューまで見せてくれたので今度はばっちり。

「Googleマップ使えばいいと思いますよ」

と言われたけれど、それができてりゃ島人みつけるたびに、無人島で人みつけたがごとく両手振り上げながら「うぉーい!」って駆け寄ったりなんてしない。

「私の携帯はWi-Fiがあるところでしか使えないんですよ」

 そう言って、せっかくだから、私でも聞いたことがるだし道楽がなんで有名なのか聞いてみた。

 IKKOさんとかアンガールズが絶賛したとかなんとからしい。すぐそばには有名だという「だし自動販売機」もあった。
 おみやげにいいかなぁと思ったけれど、そこはやはりまず天狗岩。

 いよいよ天狗岩正規ルートへ!

天狗岩までの行き方

※あとから鉄人に確認したところ、この入り口以外にも二つ行けるルートがあり、三通りの行き方があるらしい。

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この青いのがついた短い橋を渡った左側が工場を解体した跡地。ここと「匠」と書いてる建物の間の道を入っていく。

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左が匠で右が橋。道幅は確かに狭いけど、猪出没地帯より全然広い。
この車から目の前を見るとこんな感じ。

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 入っていく道がわかったのであとは楽勝と思ったら、やはり迷う。
 なんか工事現場みたいな竹藪の方に来てしまった。

 この川沿いを走ってまっすぐ突き当りのところにいったからだ。

 ここは突き当たりまでいかず、川を右に走ってきたところ、橋をちょいっと渡って川を左にして、さらに上まで続いている坂道を上がっていくべし。

 そしてその付近で福祉施設発見。入口に人が見えたので、そこまで車で上がり、適当に停めて、「すみませーん」と大声を出す。そこにいたおじさんが

「あー、天狗岩ね、佐藤健の映画の撮影地だろう?」

と言うけど、場所は知らないらしい。

 すると、行ったことがあるという人が外に出てきた。すごく親切な女性で、写真とか見せてくれたけど、要するにルートとしては陀奉山を目指してひたすら上がっていけばいいとのこと。

 ここからは楽だった。

 住宅街の坂を道なりに上がっていく。
 迷いそうな分岐点には必ず看板がある。

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 その矢印の通りに進んでいくとお墓地帯があって、「開通記念」という碑が建てられている。

 そこもさらに進んでいくと左手には小川みたいな堀みたいなのがあって、道は確かに狭いし一車線スペースだけど、大きい車でも全然通れる。
 くどいようだけど、私が迷い込んだ猪出没地帯より全然道幅狭くない!

 しかもゆずりあいスペースがわりとあって、カーブ地点のミラーに注意しながらくねってるスペースでいつでも停まれるように注意深く進めば山道自体は大したことない。何しろ舗装されてるし。

 山登ってるぜって感じがしてテンション上がる↑

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ゆるゆる上がっていくと天狗岩の看板が!

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看板からさらに上がったところの右側にぽっかり広い駐車スペースがある。

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 さっきの看板の地点まで戻って下に少し降りていく

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細い道を分け入ってくと、急にパッと視界が開けたあの瞬間!思わず歓喜の声!

「ついた!すごい!ついた!」

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ここはオールフリーのCMの撮影現場でもあったらしい。
CMだと広い場所に見えたけど、意外とコンパクトな印象。でも絶景絶景!

CMでも座っていた岩の上でおにぎりタイム

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うまっ!
寒いけどうまっ!塩昆布おにぎりうまっ!

 めっちゃ風に煽られてるしちょっと怖いけど、私は昔から高いところが好きだ! バカは高いところが好きだというけど、実際そうかもってぐらい、ビビるのに高いところ行きたがったり、バンジージャンプをしたりする。

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 本当はこの切り立った頂点で腕組みしながら下界を見下ろして「愚かな人間どもめ」とか言ってみたい!でも下落ちそうで怖い!風強いし!

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 ロングカーディガンは着ていくもんじゃないな。めっちゃ岩に引っかかるし。靴はしまむらの600円で全然大丈夫だった。

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 なんかこういうまるい穴がたくさんある。

 何が贅沢ってこの景色と場所を独り占め!

 映画やCMの撮影地だとかで、聖地巡礼なんかで来る人もいると聞いてたけど、さすがに二月だしコロナだし誰もいない。

 しばらく景色を堪能した後、せっかくだから陀奉山展望台まで目指すことにした。

陀奉山展望台(のトイレ)

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ちなみに天狗岩から少し上ったところにもこんな展望所があったので立ち寄った。

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まあこんな感じ。これなら天狗岩から見渡すほうがいいと思う。

さらに下に降りていけそうだったけど、どこまで続くかはわからない。

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 そんなことより展望台へ!

 もう天狗岩に行くという目的は果たしたけれど、先を急ぐには訳がある。

 トイレ行きたい!!!!!

 ぶっちゃけ人もいないし、いざとなったらその辺にしても?なんて思ったけれど、観光名所でさすがにそれはちょっと抵抗が……

 そして急いで展望台へ

 着いた!

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そしてあった!WCマーク!!!!

しかもトイレが綺麗!ぼっとんだけど綺麗!トイレットペーパーの予備まである心配り!日本人の美徳!!!!!お・も・て・な・し!

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 思い出すなぁ。中国行ったばかりの頃、トイレの汚さに衝撃受けてトイレ写真ばかり撮っていたっけ。

 もちろん上海とか大都会の立派な建物のゴージャストイレとか普通の家のトイレでもきれいなトイレはあったけど、やはりこういう山のトイレの綺麗さで真価が問われるというか、中国の聖山、泰山のトイレだってこんなに綺麗じゃなかった。

 やはり日本のトイレはすばらしい。
 アニメ、漫画、そしてトイレ! 世界に誇れる日本文化を私は伝えたい!

 で、このトイレほどには展望台の眺めはすばらしくなかった。
 天気が曇ってたので見晴らしがよくなかった。

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まあ晴れてたら綺麗なんだと思う。

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 でもこの辺は「光射す雲路の果て」みたいな感じで昔懐かしcoccoの歌思い出したりしたけども……寒い!

 天狗岩のところよりさらに風が強い気がする。

 もうトイレという目的も果たしたし、トイレの記念写真も撮ったので帰ることに。

 そして私は山を下った。

 帰り道はほんと早かった。

 そしていつもの夕焼けスポットで、夕日が沈むのを見ていた。

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この時もやはり発電所みたいな高いところに登っていった。

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そして降りる時は天狗岩より角度きつくて怖かった……

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 あーそっか。怖いのに高いところにのぼりたがるからバカってことなんだろうな。

 ちなみにここらは五時になるとドボルザークの「家路」が流れて、陽が沈み、暗くなるまで空と海のグラデーションが瞬間ごとに変わっていく。

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 陀奉山から見下ろす景色もいいけれど海沿いも綺麗だと思う。

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