「アカメが斬る!」の本当の敵は「弱肉強食」

「アカメが斬る!」というアニメを久しぶりに見直した。

このアニメの凄いところは、反乱軍側と帝国軍側の対立構造を両者から描かいていることにあると思う。一方が正しいと思っていることも相手から見たら間違っていて、どちらも自分が正しいと思う事をする中で争っている。

これは現実に起きるほとんどの戦いの原因にも同じ事が言えると思う。結果的に帝国側が自滅する形で反乱軍が勝利したが、敵味方ともに多くの犠牲が出る形となった。

主人公であるタツミも最終話を前にして死んでいる。そういう意味では、国を変えるためとはいえ、殺しという暴力に訴えた報いは主人公であっても受けるという事だと感じた。

黒幕は大臣だが、この作品で本当に描かれている敵は帝国の将軍であるエスデスとその根底にある弱肉強食の考えだと思う。最終的には武力で反乱を成功させたが、これもまた強かったから勝ったのだ。弱肉強食に変わりない。

自然は弱肉強食がルールであり、人間はその上でトップに立った。すなわち多くの生物の犠牲の上に我々は成り立っている。その考えそのままが適応されるなら帝国の姿は人間本来の姿ともいえる。

反乱後の帝国は本当に、平和であり続けられるのか。弱肉強食の世界で多くの生物を犠牲にしてきた人間は、精神的な成長をするのか。という事を考えさせられる作品でした。

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